阪神・岡田監督“直球磨け”指令!投手改革へ若手集めアドバイス「スピンある球をクロスで高めにな」

[ 2022年10月29日 05:15 ]

外野で投手陣を集めて話す岡田監督(左から3人目)(撮影・奥 調)
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 阪神の岡田彰布監督(64)が28日、甲子園球場での秋季練習で、投手改革第1弾に着手した。投手陣を集めた約10分間のミーティングで「直球のレベルを上げろ」と指令。スピンを利かせ、打者に球速以上に速く感じさせるために、秋季練習と秋季キャンプでは、あえて「低めを意識するな」とセオリー破りのブルペン投球を訴えた。

 岡田監督が、投手陣に大号令をかけた。練習開始直後、投手陣を外野の一角に集めて約10分間の青空ミーティング。秋季キャンプのテーマを「自分のストレートの威力をもう1段階上げるというか、その感覚をつかむというか、そういうことやけど」と掲げた。

 実現のために、具体的な道筋も示した。ピッチングの基本である直球を磨くために、秋限定で、あえて投球の基本の低めを意識しなくていいと訴えた。

 「スピンのあるボールをクロスで、高めにな。試合になったら低め低めにいかなあかんけど、この時期はその必要はないから」

 この日参加した投手は全員が20代。大きく育つためには当面実戦がない今の時期から、小さくまとまった投球をする必要はない。対角線のボール、いわゆるクロスファイアを、「右投手なら(右打者の)アウトハイ、左投手やったら右バッターのベルトのちょこっと上ぐらい」と提言。その先に“球速以上に速い直球”の実現を見据える。

 「160キロを投げても、体感がスピンも何も利いていない、ただの棒球の150キロくらいの威力なら、打たれるわな。数字的には145キロぐらいのでも、打席に立ったら150キロ近い威力の方が、バッターは困るやんか」

 低めとスピードガンへの「こだわりすぎ禁止令」に加え、もう一つ提案をした。質の高い直球を習得させるために、ブルペン入り頻度を「200球投げて次の日がノースローなら、50球でいいから(クール)3日間毎日」と増やすよう求めた。

 25日に野手を集めて打撃指導をし、この日は投手陣に初めて自らのイズムを注入した。今季6勝の西純は指揮官の言葉にうなずく。

 「いろいろな考えがあって、いろいろな話をしてもらうことで、引き出しが増えたりするんじゃないかと思って聞いていた」

 リーグ制覇をした05年は、藤川、久保田の救援陣が大車輪の活躍をした。2人とも直球の威力でねじ伏せる好投手だった。打者封じは直球の威力があってこそ。優勝の2文字を意味する「アレ」へ、秋の間にしっかりと土台をつくる。(倉世古 洋平)

≪岡田監督の投手改革≫
 ★JFK 阪神監督就任の04年、先発で結果が出なかった藤川球児の特性を見抜いて救援に配置転換。ジェフ・ウィリアムス、久保田智之との継投による7回からの“勝利の方程式”を確立。リーグ優勝した05年、チームは6回終了時点でリードしていれば、73勝4敗2分け、勝率・948だった。名称は3人の頭文字から。

 ★SHE 桟原将司、橋本健太郎、江草仁貴が務めた「裏JFK」的存在。リード時の「JFK」に代わって、同点や僅差のビハインドのゲーム後半に打線の反撃を待つ粘りの継投を見せた。こちらも名称は3人の頭文字から。

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2022年10月29日のニュース