阪神・青柳 牧の大飛球に「もう終わったと思いました」 絶望から生還…6回無失点でCS初勝利

[ 2022年10月9日 05:15 ]

セCSファーストステージ第1戦   阪神2-0DeNA ( 2022年10月8日    横浜 )

セCS1<D・神>5回、安打を放った青柳(撮影・島崎忠彦)
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 絶望から生還を果たした。2点リードの6回2死一塁。青柳は、牧の放った左翼への大きな飛球を見上げた。

 「もう終わったと思いました(笑い)。外のボール球要求だったけど、中に入っていい感じに上がったんで」

 同点の2ラン被弾を覚悟したが、打球はフェンス手前で大山のグラブに収まった。「あ~終わったと思ったので良かった」。肝を冷やしながらもスコアボードにゼロを並べ、しびれる一戦で6回無失点と役割を果たした。

 「全然違う」と振り返った疲労度マックスの85球。シーズン同様、左打者を6人並べて対策を講じてきたDeNA打線にも真っ向勝負を挑んだ。「全体的にストライクは取れていた。(相手に)嫌な部分もいっぱいあったけど、僕の中では(3勝1敗で)勝ち越している相手なので。いい形で後ろにつなげればいいと思っていた」。シーズンでは意識する完投にもこだわらず、力の限り腕を振った。

 シーズン中にもかかわらず、社会貢献活動に積極的な姿勢を見せる。「早く子どもたちの手に渡った方が良い」と、9月には出身の神奈川県横浜市鶴見区の少年野球20チームにグラブやバットなど140点を寄贈。昨年から1勝につき10万円分の本(絵本)なども鶴見区の市立小学校、市立保育園に贈る活動も開始した。今年も春先から空いた時間を利用してプレゼントする絵本探しに“奔走”。知人に「良い絵本知りませんか」と聞き回った。「自分で読んでいいなと思った本を渡したい」。誠実な人柄はそんなところにもにじみ出る。

 敵地での力投、バットでは先制につながる右前打の活躍を見せた。シーズン中から続いていた横浜スタジアムでの連敗を8でストップ。自身のCS初勝利も手にした。「雰囲気には緊張しましたけど自分の投球ができたのかなと」。今年14個目となった白星は格別だった。 (遠藤 礼)

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2022年10月9日のニュース