阪神・湯浅8回ピンチで登板 炎の回またぎで“プロ初セーブ” 矢野監督の采配ズバリ ファイナルS王手

[ 2022年10月9日 05:15 ]

セCSファーストステージ第1戦   阪神2-0DeNA ( 2022年10月8日    横浜 )

セCS1<D・神> 9回、最後の打者を打ち取りガッツポーズを決める湯浅(撮影・大森 寛明)
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 プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は8日、セ、パ両リーグでファーストステージ(S=3試合制)が開幕し、セ・リーグはレギュラーシーズン3位の阪神が2位のDeNAに先勝した。湯浅京己投手(23)が8回2死一、二塁で救援し、回をまたいだ9回も抑えて“プロ初セーブ”で貢献。9日の第2戦に勝てばファイナルS進出が決まる。  

 一発を浴びれば逆転される危機にも、湯浅は冷静だった。出番は2点優勢の8回2死一、二塁。打席には4番・牧を迎えていた。

 「真っすぐが感覚的にすごく良かったと思うので、押せていた」

 真っ向勝負を挑んだ。初球から4球連続150キロ台のストレートを投じ、カウントは2―2。最後は5球目のフォークで空振り三振を奪った。青色一色に染まった、横浜スタジアムの押せ押せムードをはねのけたスーパー救援。イニングをまたいだ9回も危なげなく締め、“プロ初セーブ”をマークした。

 「これまでずっと接戦で投げさせてもらっていたので、(8回も9回も)一緒だと思ってマウンドに上がりました。(回またぎに)特に変な抵抗感はない。初めてのセーブで、素直にうれしい」

 8回頭からは岩崎が登板。1イニングを任せるはずが、自らの失策と四球でピンチを招いたことで、矢野監督は動いた。「スグル(岩崎)がちょっと投手ゴロを嫌なセーフ(一塁悪送球)にしちゃった」。左翼席の虎党も慌てたが、湯浅にとっては想定内。「CSですし、自分の中でもそういうのはあるなと」。戦局を読み、炎の17球につなげた。

 矢野監督から繰り出された勝負手は、実は入念に練られたものでもあった。初めて可能性に言及したのは、春季キャンプ前。伸びのあるストレートに着目し、スアレス(現パドレス)の代役候補の一人に挙げていた。開幕直後にもケラーに代わる守護神に一度は指名したが、その後、チームが連敗を続けたことで実現せず。シーズンが進んでからは最優秀中継ぎ投手のタイトルをアシストするため、ストッパーとしての起用を見送っていた。

 思いを結果に変えてきた今季。侍ジャパン入りも目標の一つにあった。「シーズンが始まる前に来年WBCあるのは分かっていました。やる上では出たい、小さい頃からの夢でもあったので」。09年に母とともに東京ドームでWBCの韓国戦を観戦。代表入りへの思いを強くした小学4年時の願いを、11月の強化試合選出という形で実現に近づけた。

 大きなアドバンテージとなる1勝にも、気持ちを引き締める。「まだ今日で終わりじゃないんで。きょうのことは切り替えて、しっかり調整したい」。王手をかけたきょうの第2戦でも“アツアツ”な快投を誓った。(阪井 日向)

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2022年10月9日のニュース