大阪桐蔭エース前田が4強導いた　国体での学び生かした主将「自分から発信」野手へ積極的に指示

秋季高校野球大阪大会　準々決勝   大阪桐蔭12ー0東大阪大柏原 （ 2022年10月8日    シティ信金スタ ）

＜東大阪大柏原・大阪桐蔭＞好投した大阪桐蔭・前田悠伍
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　大阪大会では準々決勝4試合が行われ、履正社、大阪桐蔭の“2強”が4強進出を決めた。大阪桐蔭の前田悠伍（2年）は栃木国体の準決勝・下関国際戦から中4日で先発。5回を投げ、東大阪大柏原打線を2安打無失点に抑えた。奈良大会準決勝では天理が智弁学園との名門対決を制し、近畿大会出場を決めた。

　大阪桐蔭の超高校級左腕・前田が投打に躍動した。5回以外は得点圏に走者を置くこともなく、2安打零封。3回には大量9得点に絡む左中間への適時打も放ち、エース兼主将が4強進出に導いた。

　「打たせていく場面は打たせ、決めにいくときは決めるというのが出せたと思います」

　毎回の8奪三振も、先頭から奪ったのは4回のみ。逆にイニング最後の打者からの三振は4回以外全てで奪った。まずは守備陣にリズムをつくらせ、最後は自分から流れを生み出す。デザインされた頭脳派投球だった。

　チーム唯一の国体経験者。これまでは今秋ドラフト1位候補の松尾汐恩捕手（3年）という頼もしい先輩が背中を押し続けてくれたが、同級生や後輩から頼られる役割になる。

　新チーム結成当初は気負いから調子を落としていたが、国体で3年生の“すごさ”に気づけたという。「元気や活気だけじゃなくて、声かけとか確認作業も怠っていなかった。自分から発信するように心がけています」。この日も野手へ積極的に指示を送り、学びを即座に生かした。

　主将の責任を負わせることが、超高校級左腕の成長を促すと西谷浩一監督も確信している。「勉強してほしい。負担と思っているようではダメ」。近畿大会出場まであと1勝。声で、背中でナインを引っ張り、来春選抜への切符をつかみ取る。（北野　将市）