新井貴浩氏 “切り札”マルテの早め代打起用がはまった阪神 見極めた四球がダメージ与えた

[ 2022年10月9日 07:00 ]

セCSファーストステージ第1戦   阪神2-0DeNA ( 2022年10月8日    横浜 )

<D・神>試合を解説する新井貴浩氏(撮影・島崎忠彦)
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 【新井貴浩 視点】阪神は5回の代打マルテがポイントだった。3試合制のファーストSで、3位進出のチームにとって引き分けは負けと同じ。中盤の好機で主導権を握るためにも早めに仕掛けた。糸原は過去2打席の内容が良くなく、思い切って代打を出しやすい状況でもあった。

 マルテは2ストライクから四球を選んで満塁へ好機を拡大。外角に決められた直球とチェンジアップで追い込まれてから、低めの際どい球を我慢して見極めた。DeNAバッテリーにすれば、いい攻め方だっただけに、少なからずダメージが残った。

 マルテに限らず、阪神は各打者が序盤から低めの球に手を出さず少しずつプレッシャーを与えた。今永は「なぜ振ってくれないのか…」という感覚だったのでは。カウント球も勝負球も直球頼みになり、球威があっても苦しくなった。

 レギュラーシーズンとは順番を入れ替えた終盤の継投策。岩崎は難しい心理状態での投球だったと思う。自分の失策で招いた1死一、二塁で佐野にはボール先行の2ボール。3球目は内角高め直球を引っ張られてファウルになった。強く踏み込んできた佐野のスイングを見て、4球目にも内角高めを続けた配球には見応えがあった。本塁打なら逆転される場面。しっかり投げきった岩崎も見事だった。

 4盗塁が示すように矢野監督が4年間指導してきた積極性も出た。中野が4安打、近本が3安打。第2戦へ勢いづいた。(スポニチ本紙評論家)

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2022年10月9日のニュース