広島・林 原点回帰で長距離砲の道再び「タイミングをしっかりと大きく取って」

[ 2022年10月6日 05:00 ]

練習試合   広島1―5JR西日本 ( 2022年10月5日    由宇 )

<広島・JR西日本>「3番・一塁」で先発した林(撮影・河合 洋介)
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 広島・林晃汰内野手(21)は、雪辱を期す来季に向けて「原点回帰の秋」とする決意を示した。高卒3年目の昨季に10本塁打を放ちながら、今季は打撃不振から抜け出せずに1軍未昇格に終わった。自身の長所である長打力やフルスイングを再び磨き直して、今秋の実戦から打力でアピールする構えを見せた。

 なぜ、林は今季のウエスタン・リーグ出場102試合で2本塁打のみに終わったのか――。「しっかりと大きくタイミングを取れていなかった。小さくまとまりすぎていたのかなと思う」。不振に悩む間に、長打力を生かす打撃とは正反対のスタイルが染みついていたと言う。飛距離はチーム随一。いま一度、原点に立ち返って強振を貫く秋とする決意だ。

 「小さいことをやろうとは思っていない。打席でタイミングをしっかりと大きく取って合わせる。そこから、どうしていくかだと思う」

 高卒3年目で10本塁打を放った昨季は、持ち味のフルスイングを前面に押し出していた。「去年は、もっと思い切り振れていた」。今春に打撃不振に陥り、開幕直前に2軍降格。ウエスタン・リーグでも打率・217と最後まで状態は上がらず、2軍でシーズンを完走することになった。

 直球を仕留めきれない影響からか、タイミングの取り方は次第に小さくなり、本来の大きなスイングから遠ざかっていった。「いろいろなことを試そうとして、頭を整理できていなかった。これをやるという決め事を、(常に)持ってできなかったのが一番大きかった」。不振から抜け出すための試行錯誤は、結果的に裏目に出た。今季の不振を通して、打席でいかに強振できるかという原点に立ち返ったといえる。

 昨季の正三塁手の不振は、1軍の布陣にも影響を与えた。捕手と三塁を兼任するはずだった坂倉は、シーズン途中から三塁に固定。林の不在により、先発の選択肢は狭まった。

 「悔しいですし、しっかり結果を残して、1軍でやらないといけないと感じた。まず自分が求められていることは打撃だし、長打も大事になる。そこからアピールできるようにしたい」

 「3番・一塁」で先発したJR西日本との練習試合では、1打席目に左前打を放つなど4打数1安打。どの打席でも強振を貫いた。今季の2軍暮らしは無駄ではなかったと、来季に一発長打で証明する。 (河合 洋介)

 ◇林 晃汰(はやし・こうた)2000年(平12)11月16日生まれ、和歌山県出身の21歳。智弁和歌山では2年夏、3年春夏に甲子園出場し、3年春は準優勝。高校通算49本塁打。18年ドラフト3位で広島入団。20年1軍デビュー。21年は6月から三塁レギュラー。通算106試合、打率.263、10本塁打、40打点。1メートル82、101キロ。右投げ左打ち。

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