悔し涙のソフトB・藤井に雪辱舞台、CSで西武・山川と再戦だ 藤本監督「大丈夫。行くよ」

[ 2022年10月6日 05:00 ]

キャッチボールするソフトバンク・藤井(撮影・岡田 丈靖)
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 藤井で、次こそ山川を黙らせる――。ソフトバンクは5日、8日に始まる3位・西武とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(ペイペイドーム)に向けた全体練習を本拠地で再開。藤本博史監督(58)は歴史的V逸からの切り替えを強調した上で、1日の同カードで延長11回に山川穂高内野手(30)からサヨナラ2ランを浴びた藤井皓哉投手(26)を再び、主砲にぶつける意向を示した。“8回の男”に定着した右腕の雪辱登板からチームを勢い付ける。

 山川に、もう一度藤井をぶつける。藤本監督は悔し涙を流した右腕に、雪辱の舞台を設ける意向を示した。

 「藤井は大丈夫。一番の活躍をした投手のMVPですから。山川を今まで抑えてきてる。行くよ」と言った。

 8日からのCSファーストステージでは、1日以来となる西武との再戦。引き分けでも優勝だったが、3連投だった藤井は1―1の延長11回2死一塁で山川に内角フォークを投じ、左翼スタンドにサヨナラ弾を放たれた。試合後のあいさつ中には、号泣し続けた。

 山川との対戦結果は6打席で4打数1安打2四球。今季初の被安打があの2ランで55試合目で初黒星を喫した。この日の全体練習後、藤井は「たぶん忘れることのできない1敗。本塁打だけはやめようと話した中で一番やったらいけないことをした」と猛省も雪辱は忘れない。「次、もし山川さんと対戦する機会があったら気持ちを前面に出し、ベストを尽くし抑えたい」。是が非でも抑える覚悟を示した。

 西武戦で敗れた1日夜にベルーナドームから都内の宿舎へ。バス移動の90分間に藤井は独立リーグ時代の過酷な長距離バス移動を思い出し自身と向き合った。「自分を見ていなかった。どこかで直球を投げていれば違う結果になった。とにかく悔しい」。宿舎に着くと指揮官の部屋をノックして「投げさせてください」と2日のロッテ戦での4連投を直訴した。出番こそなかったが、切り替えはこの時に終わっていた。

 悔しいのは藤本監督も同じだ。2日間のオフで切り替え完了を強調したが、屈辱的な結末に人生初めての感情を味わったという。

 「めっちゃ悔しかったけど休んで切り替えた。あの“10・2”は一生忘れん。目から変な汁が出たんや! 甲子園で負けても怒られても出たことのない汁。野球人生で初や」

 負けず嫌いの男は初めて流した涙を「汁」と言ってごまかした。次の目標は、日本一。雪辱戦成功から勢いに乗せ、勝ち上がる。 (井上 満夫)

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2022年10月6日のニュース