阪神・栄枝プロ第一歩「入団会見の時に矢野さんの39をこえると言いましたが、なにもできていなかった」

[ 2022年10月3日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3-3ヤクルト ( 2022年10月2日    甲子園 )

9回2死一、二塁、栄枝は同点の右前適時打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 しびれる場面で大仕事をやってのけた。「矢野阪神」ではレギュラーシーズン最終戦。矢野監督が現役時代に背負った背番号39を付ける栄枝が、代打でプロ初出場を果たし、初安打初打点を決めた。

 「今季はこれがラストチャンス。本当に死ぬ気じゃないですけど、気持ちで打った」

 1点を追う9回2死一、二塁。この時点でベンチ入り野手は栄枝だけだった。初舞台は代打として登場。カウント2―2から154キロ直球を右前へはじき返し、二走・小幡を本塁へ迎え入れた。球団野手のプロ初打席、初安打、初打点は11年の森田一成以来11年ぶり。ファンは総立ちで祝福し、記念球は一塁ベンチへ回収された。

 入団時からケガに泣かされてきた。昨季は開幕直後から右肋骨を2度も疲労骨折。20年ドラフト同期の佐藤輝、中野らの活躍に悔しさは募った。「自分にできることは精いっぱいやろう」。リハビリ中は、声でチームを鼓舞。後輩から「エダさん、声出し過ぎです」と言われたこともあった。グラウンドに立つ喜びを誰よりも感じている。

 「入団会見の時に矢野さんの39をこえると言いましたが、なにもできていなかった。最後にちょっと(活躍を)見せられて良かった」。大きな一歩を踏み出した。(石崎 祥平)

 ◇栄枝 裕貴(さかえだ・ゆうき)1998年(平10)5月16日生まれ、高知県出身の24歳。朝倉小1年から朝倉スワローズで野球を始め、高知中3年春に軟式野球の全国大会優勝。高知高では1年秋からベンチ入りも甲子園出場なし。立命大では1年秋からリーグ戦出場。20年ドラフト4位で阪神入り。1メートル80、83キロ。右投げ右打ち。

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