広島・佐々岡監督、涙のラスト采配 今季限りで退団報告 マツダ通算500勝未達成も「声援うれしかった」

[ 2022年10月3日 04:46 ]

セ・リーグ   広島0-3中日 ( 2022年10月2日    マツダ )

一旦ベンチに下がったものの、ナインに促され目頭を押さえて再びグラウンドに現れる佐々岡監督(撮影・椎名 航)
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 感極まった。試合後のセレモニー。リーグ5位に終わった今季をファンにわび「私、佐々岡は責任を取り、今日でユニホームを脱ぎます」と退任を報告。声援を受けながら選手一人一人と握手を交わすと、広島・佐々岡監督の頬を涙が伝った。

 「結果を残せなければ…という思いで今季に臨んでいた。(辞任の決意は)ヤクルトが優勝を決めた時に」

 クライマックスシリーズ(CS)進出を懸け、激しい3位争いを指揮する中で進退を決めていた。ヤクルトの連覇が決まった翌9月26日、就任3年連続でV逸した責任を取る意向を球団に伝えた。指揮官なりのケジメ。選手、コーチには中日戦の練習前に報告したという。

 「優勝を狙える戦力がありながら、監督の力不足から優勝、CS進出がかなわなかったことをわびました」

 今季最終戦は完敗だった。プロ初先発・根尾のスライダーに手を焼き、柳の緩急にもてあそばれて、三塁すら踏めず今季16度目の零敗。2試合目の先発となったルーキー・森の5回を零封した好投がわずかな光明だった。

 「うまく緩急を使って、しっかり試合をつくった。来季は先発ローテーションに入れるよう頑張ってほしい」 66勝74敗3分。408勝でバトンを受けて91勝を積み上げ、王手をかけていたマツダ通算500勝は未達成に終わった。「最後の声援がうれしかった。選手には涙を見せなかったんだけど…」。無念さを胸に刻み、人情派監督の戦いは道半ばで終幕を迎えた。(江尾 卓也)

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2022年10月3日のニュース