菊川 16年ぶり決勝“常葉大対決”制し秋王者!1年生左腕・久保が完封勝利

[ 2022年10月3日 04:00 ]

秋季高校野球静岡大会決勝   常葉大菊川3―0常葉大橘 ( 2022年10月2日    草薙 )

<常葉大菊川・常葉大橘>16年ぶりの“決勝兄弟対決”制し、歓喜の常葉大菊川ナイン
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 16年ぶりの常葉大勢による決勝は、菊川がわずか1時間38分の投手戦を快勝した。1年生左腕・久保綾哉が散発7安打無四球による公式戦初完封。15年ぶり4度目の優勝を飾った。3位の加藤学園を含めた上位3校は、22日に草薙と清水庵原の両球場で開幕する東海大会に出場。組み合わせ抽選会は11日、愛知・名古屋市内で行われる。

 雲一つない真っ青な上空に白球が舞い上がると、マウンド上の背番号10は優勝を確信した。二飛。久保はすかさず笑顔で左拳を握りしめ、バックの仲間とともに小躍りしながら歓喜の整列に並んだ。

 「ホッとしました。初球にストライクが取れてテンポ良く投げられました。(常葉大橘の)杉田さんも同じ左で、負けていられないと思いました」

 相手のエース左腕にも持ち味を引き出してもらいながら、打たせる投球に徹した。相手打線の早打ちも味方にスイスイ。三塁を踏ませたのは9回の1度だけで、2併殺を奪う103球無四球の省エネ投球で公式戦初完封のおまけ付きだ。石岡諒哉監督(33)も「タフ。精神的にも。マウンドさばきが落ち着いていて、バックが安心して守れます」と感心。登板した今大会4試合22イニング無失点、防御率0・00は凄すぎる。

 大会当初は「投手陣が不安」と囁かれたものだが、秋は経験を積めば積むほど成果も出る。久保の一本立ちを支えたのが、強肩強打ぶりが早くも来秋のドラフト候補として注目を浴びる4番・鈴木叶捕手(2年)だった。スコアレスの5回先頭で「絶対勝ちたかった」と左翼フェンス直撃の二塁打を放ち敵失で一気に三進。続く梶原優陽一塁手(2年)の中犠飛で先制のホームを踏んだ。知徳との準決勝でも先制打。指揮官は「叶が打つとみんな勇気が出る。苦しい時こその4番」と絶賛した。

 “兄弟対決”の県決勝を6―5で競り勝った前回16年前の第59回大会。石岡監督が女房役としてDeNAで中継ぎ左腕として活躍する田中健二朗(33)と強力バッテリーを組み、東海大会制覇に続き、翌春07年第79回選抜甲子園でも初の日本一に輝いた。雰囲気はある。再現へ、さらにレベルとギアを上げる。(小澤 秀人)

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