ソフトB“10・2の悲劇”円陣の中心で叫んだ主将・柳田の責任感 悔しさはCSで晴らす!

[ 2022年10月3日 04:44 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3-5ロッテ ( 2022年10月2日    ZOZOマリン )

<ロ・ソ>優勝を逃し、一礼しグラウンドを後にする藤本監督(撮影・岡田 丈靖)
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 8年前、最終戦でリーグ制覇を決めた「10・2の歓喜」は再現できなかった。優勝マジックを「1」としていたソフトバンクは2日、ロッテに敗れ優勝を逃した。柳田悠岐外野手(33)の2戦連発ソロなどでリードしたが、2番手・泉圭輔投手(25)が山口に痛恨の逆転3ランを浴びた。楽天に勝ったオリックスに勝率で並ばれ、両チームの対戦成績の差で涙をのんだ。この悔しさはクライマックスシリーズ(CS)で晴らす。

 ゲームセット直後、柳田はベンチに腰掛け、しばらくロッテの歓喜の輪を見つめた。つかみかけた頂点。主将就任1年目でのV逸を受け入れた。

 「一歩足りないというところが、力だと受け止めております。僕がもっと打っておけば優勝していたかな」。左肩、両膝などにアイシングをした姿で会見場に現れ、満身創痍(そうい)で戦った143試合を言葉を詰まらせて振り返った。

 今季最終ゲームが、引き分け以上で2年ぶりのリーグ優勝が決まる大一番。試合前、バットを片手に円陣の中心に立った。

 「ラスト1試合、マジックも1。よく、こんなしんどいゲームばっかでマジックを消さずにここまで来たと思います。ここまで来たらやるしかないし、3時間死ぬ気でやろう」

 声を張り上げ左胸のキャプテンマークを握りしめた。「ダメやったら全部俺のせいで!俺が責任とって、こんなん(キャプテンマーク)破り捨ててやる!俺のせいにしろ!死ぬ気で行くぞ」。その言葉通り、背中で引っ張り続けた。

 1―0の4回、ロッテ先発・小島のカットボールを左翼席に叩き込んだ。「食らいついて打つことができた」と2試合連続となる24号ソロで貴重な追加点。2―5と逆転された8回1死一塁からは反撃の適時二塁打。30日の楽天戦、右翼守備でフェンスに後頭部を強打した影響で首にテーピングを巻いたまま出場。前日の西武戦は9回に一時同点の一発を含む猛打賞。主将としての覚悟を見せ続けた。

 主将指名時には藤本監督から「口で引っ張らないでいいから、姿勢で引っ張ってくれ」と思いを伝えられ、「僕の背中で見せます」と宣言してきた柳田。「まだチャンスはあるので、そこに向かって全力で頑張ります」と視線を上げた。やり返すチャンスはある。8日から西武とのクライマックスシリーズ・ファーストステージが始まる。もう、日本一しか考えていない。 (福井 亮太)

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