羽生結弦「絶対に勝ちを獲りにいきたい」 3連覇狙う北京五輪、動画で「さんっ!」ポーズの決意表明

[ 2022年2月4日 05:30 ]

日本スケート連盟のツイッターに動画で登場した羽生(日本スケート連盟のツイッターから)

 北京五輪は4日、国家体育場(通称「鳥の巣」)で開会式が行われ、いよいよ開幕を迎える。開幕前日の3日、フィギュアスケート男子の羽生結弦(27=ANA)が日本スケート連盟のツイッターに動画で登場。クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を決めての金メダル獲得をあらためて誓った。右手の人さし指、中指、薬指を立てて「さんっ!」とメッセージを締めくくり、94年ぶり五輪3連覇をアピールした。

 夢舞台の開幕を翌日に控えた3日午後6時、最大の注目を集める“冬の王”が、日本連盟のツイッターに登場した。白を基調にしたジャパンジャージーに身を包んだ羽生は、右手を振って「みなさん、こんにちは、羽生結弦です。いつも応援、本当にありがとうございます」とあいさつ。そして、「北京オリンピックではもちろん、4Aも含めて絶対に勝ちを獲りにいきたいなって思っています」と明るく意気込んだ。

 「4A」とは、人類初成功を目指すクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)。五輪代表を決めた昨年末の全日本選手権で、フリー「天と地と」に実戦初投入した。回転不足(ダウングレード)で3回転半の基礎点となったが、転倒せずにその後の演技につなげた。同選手権後、「こっから1カ月ちょっとしかない状況の中で、やれることはたぶん、アクセルぐらい」と話しており、超大技の鍛錬を積んでいるとみられる。

 世界最高の3回転半を跳ぶ羽生だが、4回転半は高い壁としてそびえ立つ。全日本までに1000回以上跳びながらクリーンな成功はなく、絶望感に襲われたこともある。それでも、諦めるわけにはいかない。「みんなの夢だから。みなさんが僕に懸けてくれている夢だから」。期待は重荷ではなく、浮力ととらえる。この日も、「みなさんの応援の力が、絶対に必要だと思っています。ぜひぜひ応援してください」と呼びかけた。

 14年ソチ、18年平昌を制した。北京ではギリス・グラフストレーム(スウェーデン)以来、94年ぶりの男子3連覇を狙う。「勝たなきゃいけない場所」と言う五輪。動画メッセージのラスト、ダブルピースの後に右手の人さし指、中指、薬指を立てて「さんっ!」と3連覇をアピールした。偉業が懸かる個人戦は8日にショートプログラム、10日にフリー。まだ現地での公式練習に姿を見せていないが、超大技での戴冠へカウントダウンが進んでいく。

 《“ユヅルはどこ?”世界が動向注目》北京入りしていない羽生の動向が、世界中の注目を集めている。3日に北京市内のメイン・メディア・センターで開催された日本選手団の伊東秀仁団長(60)の会見では、中国メディアが羽生の現地入りを確認する質問。伊東団長は「残念ながら個人の渡航に関することは言えません」と断った上で「まだ会場には入ってないとしか言えません」と返した。

 同日のIOC総会後の東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本会長の囲み取材では、ロイター通信が羽生の現状について質問。進行役が「選手に関する情報はJOCにお問い合わせください」と応じる一幕があった。フィギュア大国ロシアのメディアは「日本代表が北京に到着したが、ユヅルはまだいない」と報道。ネットでは同国の羽生ファンが“ユヅルはどこ?”とざわつく事態に発展している。

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2022年2月4日のニュース