大西翔太〝即効〟ラウンド術④ 硬いグリーンの攻略法

[ 2022年2月4日 12:00 ]

大西翔太〝即効〟ラウンド術④ 硬いグリーンの攻略法
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 第4回のテーマは硬いグリーンへの攻め方です。今の時期、スタートが早いと、グリーン面が凍っていることが少なくありません。この場合、高い球で攻めるパターンと手前から転がして攻めるパターンに分かれます。女子プロの青木瀬令奈らを指導する大西翔太コーチが、荒川侑奈選手にその対処法をレッスンします。アマチュアの皆さんの参考にもなる方法です。どちらでも対応できるように準備しておきましょう。 動画を見る】大西コーチが教える高い球の打ち方

 大西 凍って硬いグリーンもそうですが、ラフから打つときもボールにスピンがかかりにくいので、高い球の方がグリーン上に止まる確率は高くなります。ちなみに、荒川さんはどのようなイメージで高い球を打っていますか?

 荒川 正直、あまり高い球を打つ機会ってないんですよね。目の前にある高い木があって、それを越えたいときに、高く打とうと思うだけです。

 大西 そう言いながらも、荒川さんが高い球を打つときは、自然と目線を高くしています。それだけでも高い球を打つことは十分可能ですが、プラスとしてボールの位置も変えてみましょう。

 荒川 左に寄せるんでしょうか?

 大西 はい、ボール2個分、場合によっては3個分左に寄せます。その際、クラブヘッドを元の位置ではなく、ボールのすぐ後ろにセットするのがポイントです。

 荒川 それだとボールの方が両手よりも目標に近くなりますね。

 大西 いわゆるハンドレートの形ですが、通常のショットよりもロフトが大きくなる分、ハンドレートに構えた方がボールは高く上がります。多少ハンドファーストに構えても、インパクトではハンドレートの形になるので問題ありませんが、アドレスのときからハンドレートに構えておくとよりスムーズにヘッドを元の位置に戻せます。

 荒川 打ち方自体は変わらないんですか?

 大西 通常のショットと同じです。ただ、ボールが左にあるだけに、ダウンスイングでは体重を左足へ移動することを意識しましょう。
 荒川 実際に試すと、以前よりも弾道が高くなった気がします。ボールを左に置いたことでダフるかと思いましたが、きれいにとらえることができました。

 大西 むしろヘッドを元の位置に置いた方がダフる確率が高くなるので気をつけましょう。

 荒川 どれだけ高く上げると凍ったグリーンでも止まりますか?

 大西 PGAツアーでは、最高到達点までの(打ち出し)角度が50度以上、LPGAツアーでは(同)45度以上と言われています。クラブ別に何度までボールが上がるのかを把握しておきましょう。

 荒川 数値が達しないクラブで打つときはグリーンの手前から転がして攻める感じですか?

 大西 そうですね。アベレージゴルファーでも高い球を打つ自信がない人は、手前から転がすべきでしょう。打ち方は、一つ大きい番手のクラブを持ち、(振り幅を時計の針に見立てた場合)10時から2時までの振り幅でスイングします。アドレスしたときに肩のラインと両腕できる三角形をキープしたまま、体を回転しながら打ちましょう。

 荒川 出球をコントロールしやすいので、方向性はアップしそうですね。

 大西 大振りしない分、ミート率も高まるので、グリーンを大きく外すことはなくなります。グリーンに乗せることを第一に考えたいときに有効な攻め方です。

 (取材協力・船橋カントリークラブ)


 ◆大西 翔太(おおにし・しょうた)1992年(平4)6月20日生まれ、千葉県出身の29歳。12歳でゴルフを始め茨城・水城高ゴルフ部で石井貢監督に師事。卒業後に日本プロゴルフ協会ティーチングプロA級資格を取得。女子プロの青木瀬令奈と契約を結び昨年のサントリー・レディースでは復活優勝に導く。昨年から渋沢莉絵留も指導。妹の葵も女子プロ。

 ◆荒川 侑奈(あらかわ・ゆな)1995年(平7)10月28日生まれ、千葉県出身の26歳。9歳でゴルフを始め関東中学選手権、千葉県ジュニアで優勝。聖徳大付女子高卒。1Wの平均飛距離は250ヤード。

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