スマイルジャパン先陣1勝!“三度目の正直”スウェーデン撃破、浮田決勝点で日本に勢い

[ 2022年2月4日 05:30 ]

北京五輪 アイスホッケー女子1次リーグB組   日本3―1スウェーデン ( 2022年2月3日 )

<日本・スウェーデン>第1ピリオド、小池(左から2人目)の得点に喜ぶ久保(右から2人目)=撮影・小海途 良幹
Photo By スポニチ

 世界ランキング6位の女子日本代表「スマイルジャパン」は、1次リーグB組初戦で同9位のスウェーデンに3―1で勝利した。第1ピリオドにDF小池詩織(28=道路建設ペリグリン)が先制点をマーク。一度は追いつかれながらも、第3ピリオドにFW浮田留衣(25=ダイシン)が決勝点を挙げた。過去2大会とも初戦で敗れていた難敵を破り、初の白星発進となった。

 氷上にスマイルが咲いた。1―1で迎えた第3ピリオド、抜け出した浮田がGKの動きを見定め、ゴール左上へと狙い澄ましたシュートを放つ。これが見事に突き刺さり、貴重な決勝点となった。過去2大会、いずれも初戦で敗れていたスウェーデンから“三度目の正直”となる勝利。4日の開会式を前に日本勢の先陣を切って、勢いもたらす1勝を挙げた。

 「しっかりと落ち着いてシュートを打つことができた。攻撃のゾーンで落ち着いてプレーできたし、そこは成長だと思う」

 難敵を下し、かつ日本にとっては初の白星発進。3大会連続の出場となる選手もおり、その一人でもある浮田はリベンジを果たして声を弾ませた。コロナ禍の影響で昨年11月を最後に海外勢とは試合ができず、2度の国内合宿でチーム力を強化。1月には苫小牧市の男子高校生と実戦形式の練習を続け、できる限りの調整を重ねてきた。

 一度は追いつかれながらも、再び突き放した勝負強さ。加えて、体格で上回るスウェーデン相手に局面の戦いでも劣らなかった。合宿などでは、陸トレで肘当てやすね当てを着けて体の入れ方などを特訓。「みんなコツを学べたし、それが試合にもつながっている」。そう浮田が言えば、主将のFW大沢も「バトルの場面で競り負けなかった。それが試合を制することができたポイント」と振り返る。笑顔の裏には努力があった。

 出発前には東京五輪で金メダルを獲得したソフトボールの上野由岐子からチームとして話を聞く機会があり、その金言も生かして好スタートを切った。「自信を持ちながら、また気持ちを切り替えて次のデンマーク戦(5日)に向かいたい」と飯塚祐司監督。日本にとって史上初の1次リーグ突破、さらにその先も狙っていく。

 ▽女子アイスホッケーの大会方式 参加10チームが1次リーグのA、B組に分かれる。世界ランキング1~5位のA組は全チームが決勝トーナメント(T)に進み、同6位の日本が入るB組は3チームが勝ち上がる。女子アイスホッケー界では米国とカナダの実力が抜けており、決勝T初戦で“2強”を避けるためには、B組を1位で通過することが求められる。

 ▽日本の女子アイスホッケー 1973年に伊勢丹が日本初の女子チームを発足。翌年には国土計画女子クラブも結成された。全日本選手権は82年が第1回。世界選手権は90年に初出場。12年には日本リーグも始まった。17年冬季アジア大会で初優勝し昨年の世界選手権で過去最高の6位。日本女子の競技人口は約1700人。

続きを表示

この記事のフォト

2022年2月4日のニュース