羽生 令和版「SEIMEI」で主要国際大会完全制覇へ!クリケット流ダウンで準備万端

[ 2020年2月9日 05:30 ]

フィギュアスケート四大陸選手権第3日 ( 2020年2月8日    韓国・ソウル )

<フィギュア四大陸選手権第3日>クールダウンをする羽生結弦(撮影・小海途 良幹)
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 男子ショートプログラム(SP)世界最高得点で首位発進した14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(25=ANA)は9日、初優勝の懸かるフリーに臨む。8日の公式練習では、練習拠点のクリケットクラブ流のクールダウンを同門選手とともに行うなどリラックスムードで調整。主要国際大会完全制覇への準備が整った。

 大会会場では、珍しい光景だった。サブリンクでの公式練習を終えた羽生は、ジェーソン・ブラウン(米国)、車俊煥(チャジュンファン)(韓国)とともにクールダウンを始めた。片手と逆の足を水平に伸ばしながらゆったりと滑り、深く深呼吸する動作を繰り返す。3人で談笑した後は、羽生を先頭に1列で力強くスケーティングを確認した。

 実はこの動作は、表現などを担当するトレイシー・ウィルソンコーチによる調整法。羽生を含めトロントの名門クリケットクラブに所属する選手が練習後に必ず行うが、大会会場で複数選手がともに行う場面は少ない。まるで本拠地かのようにチームメートと和やかに滑るほど、充実した練習が積めている。

 7日にSP「バラード第1番」を完璧に滑り、自身の世界最高得点を更新する111・82点をマーク。フリーでは平昌五輪で伝説となった名プログラム「SEIMEI」を再び韓国で舞う。「自分にとってこのプログラムは特別」。平昌五輪以来722日ぶりに再臨する「陰陽師」の安倍晴明は、2年前とは似て非なる人物。羽生はSP後、こう言った。

 「バラード第1番をやってみて思ったんですけど。やっぱり、違うものになるなと。あの時とは経験値が違いますし、音の感じ方、間の取り方、どういうふうに表現したいかというのも全然違う。だから、また違ったものにしたい」

 この日の公式練習では、新たに組み込む予定の大技、4回転ルッツを入念に練習。成功はしなかったが、割り当ての40分中14分ほどを費やしてジャンプを跳び続けた。準備は万全。昨年10月にスケートカナダでマークしたフリー212・99点、合計322・59点の自己記録更新と主要国際大会完全制圧へ。進化を遂げた「SEIMEI」が舞い降りる。(大和 弘明)

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