【岡崎真の目】紀平らしくないミスも…“リカバリー能力”に成長実感

[ 2020年2月9日 09:15 ]

フィギュアスケート四大陸選手権第3日 ( 2020年2月8日    韓国・ソウル )

<フィギュア四大陸選手権第3日>女子フリー、優勝した紀平梨花(左)は浜田コーチから祝福を受ける(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 紀平は冒頭の3回転サルコーを奇麗に決め、その後のトリプルアクセルもいい雰囲気で踏み込んだように見えた。ところが跳ぶ直前に跳び焦ったのか、あるいは力んだのか、踏み切る瞬間にタイミングが合わず、そのままシングルになってしまった。

 思わぬ失敗で少し焦りも見え、3回転ルッツに入る前のウォーレイという得点にならないジャンプでかかとの方に重心を取られてバランスを崩しかけたり、ルッツ後のフライングスピンで着氷時に軸がずれるなど、彼女らしくない部分が続いた。以前だったらさらに焦ってジャンプに乱れが出てもおかしくないところだったが、今回はその後きちんと立て直してリカバリーした。しかもただ降りるだけでなくプラスにつながるような質のいいジャンプを跳んでいたので、改めて成長を感じた。

 今回は確実に勝ちにいくために冒頭の4回転サルコーは回避したのだろう。ただ、もし失敗したとしてもその後立て直してきちんとまとめられるだけの完成度に達していることは想像できた。ロシア勢が参加する来月の世界選手権へ向けて、収穫の多い大会となったに違いない。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

続きを表示

この記事のフォト

スポーツの2020年2月9日のニュース