「荒磯」襲名の稀勢の里、引退に「実感が湧かない」 “親方デビュー”は2月9日

[ 2019年1月17日 14:45 ]

あいさつ回りで国技館内を歩く元横綱・稀勢の里の荒磯親方は赤ちゃんの頭をなでる(撮影・村上 大輔)
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 大相撲初場所4日目の16日に現役を引退し、年寄「荒磯」を襲名した第72代横綱・稀勢の里(32=田子ノ浦部屋)が5日目の17日、東京・両国国技館に着物姿で現れ、八角理事長(元横綱・北勝海)や審判部、巡業部など各所へのあいさつを約50分かけて行った。館内を回る間には100人以上のファンが集まり、「お疲れ様」「ありがとう」「アイラブユー」などの声が飛んだ。

 引退から一夜明けて「すっきり眠れました」という荒磯親方だが、引退した実感については「スーツも着ていないし革靴もはいていないし、なかなか実感が湧かない」と幾分、戸惑っている様子だった。それでも「土俵に上がれないのは寂しいというのがあるが、これからまた新しいスタート。一歩一歩進んでいきたい」と第二の人生に向けての抱負を語った。

 大勢のファンからの声援を間近で聞いたことには「いつも支えてもらっていましたので。国技館の2階に行くこともなくて、最近は1階にも行くことがなかったので、近くでああいうようにしてもらえたのはうれしかった」と改めて感謝した。

 16日の引退会見では「土俵人生において一片の悔いもございません」と漫画「北斗の拳」のラオウの言葉を用いた。その言葉については「自分の気持ちが出ましたね。そのままですね」と説明した。

 今後は田子ノ浦部屋の部屋付き親方として後進の指導にあたる。本格的に指導するのは初場所終了後の稽古休みが明けてからになるが「一人でも上に上がってもらえるように尽力していく」と力を込めた。まわしを締めて胸を出すことも考えており、「大関(高安)もいますし、三番(稽古)をやれる体をつくらないと」と笑顔で話した。

 初場所中は相撲協会の職務には就かず、“親方デビュー”は2月9日のNHK福祉大相撲(両国国技館)となる。

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2019年1月17日のニュース