白鵬4連勝!好敵手・稀勢引退に寂しさ 場所を「託された思い」

[ 2019年1月17日 05:30 ]

大相撲初場所4日目   ○白鵬―北勝富士● ( 2019年1月16日    両国国技館 )

攻勢だった北勝富士(手前)を白鵬が突き落としで破る (撮影・大塚 徹)   
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 横綱・白鵬が北勝富士に土俵際の突き落としで逆転勝ちし無傷の4連勝を飾った。稀勢の里の引退により、錦木も不戦勝で4戦全勝。小結・御嶽海も2場所連続優勝を狙う関脇・貴景勝に勝って無敗を守った。大関・豪栄道と栃ノ心はともに敗れて初日から4連敗。全勝は平幕の阿武咲、魁聖、千代の国を加えた6人となった。

 白鵬は、好勝負を繰り広げてきた稀勢の里引退を受けとめ、この日の土俵に上がった。「今朝から、寂しいものがありました。場所に入って、切り替えて、このままではいけないな、と」

 複雑な心理を振り払い、北勝富士の攻めをしのいだ。強烈なおっつけ、突きを耐えた。まず左足一本を俵にかけて残す。のけぞって北勝富士を右から突き落とすと、次は右足一本を俵にかけた。

 大ピンチでも流れるような動きで逆転。物言いはついたが、軍配通り。「稽古のたまもの。(相手の)足が飛んでいた。悪くても、もう一丁という感じ」。外から見えるほど、慌てていなかった。

 引退した好敵手の、新たな門出に手向けの1勝。「(場所を)託された、という思い。今度、酒でも飲みに行けたらいいかな」。思えば、実績で大差をつけていても、記憶に残る敗戦では稀勢の里が相手だった。

 双葉山の持つ69連勝の大記録に挑んでいた10年九州場所。2日目に、白鵬は稀勢の里に寄り切られて連勝は63で止まった。主要記録のほとんどを塗り替えてきた大横綱にとっては痛恨の黒星。だからこそ、寂しさも人一倍だ。稀勢の里も引退会見で、思い出の一番として初Vを飾った17年初場所の千秋楽で勝った白鵬との一番を挙げている。

 横綱同士にしか分からない重圧を分かち合ってきた2人。白鵬は荒磯親方となった稀勢の里の前で、相撲を取り続ける。

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2019年1月17日のニュース