稀勢パン&コーヒーは“現役続行” 「牛久の英雄」引退に地元ねぎらいの声

[ 2019年1月17日 09:00 ]

横綱・稀勢の里引退

引退した稀勢の里の地元、茨城県牛久市のパン店「ひつじ雲」で人気の「横綱あんパン」(同店提供)
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 現役引退を表明した横綱・稀勢の里(32)の地元の茨城県では「お疲れさまでした」と次々にねぎらいの声が上がった。出身地の牛久市では、稀勢の里をモチーフにしたパンやコーヒーが人気を集めていたが、店舗では販売の継続を決定。中学まで過ごした龍ケ崎市の母校にある資料室も、愛された横綱の足跡を引き続き紹介する方針だ。

 牛久市のパン店「ひつじ雲」では、稀勢の里の似顔絵をチョコペンで描く「横綱あんパン」(税込み172円)が人気だ。2017年初場所での初優勝と横綱昇進を機に誕生。今でも平均で1日10個ほど売れている。

 店長の松村良寛さん(40)は「横綱は牛久の誇りなので、作り続けたい。もしかしたら“親方あんパン”に名前を変えるかも」と話し「今後は真っすぐな力士を育ててほしい」と願った。同店には稀勢の里の両親も来店。パンを購入し「顔を食べるのは…」と苦笑いしたという。

 同市の喫茶店「サイトウコーヒー」でも、初優勝を機に考案したコーヒー「横綱ブレンド」(税込み480円)をメニューに残す。第72代横綱にちなみ、コーヒーの品種「マンデリン」「ブラジル」「エチオピア」を7:2:1にブレンド。マスターの斎藤孝司さん(45)は「胸を張って帰ってきて。夢や希望をたくさんもらったので恩返ししたい」と思い入れもひとしおだった。

 小学校時代に所属した龍ケ崎市の少年野球チーム「龍ケ崎ハリケーンズ」の監督だった岩瀬正和さん(70)は「思うような相撲が取れない中でも土俵に立ち続けた。ご苦労さまと伝えたい」と思いやり、今後は「経験を生かしていい親方になってほしい」と期待を込めた。

 JR牛久駅前にある稀勢の里の手形モニュメントでは、写真を撮ったり手を当てて「大きい」と驚く人の姿もあった。川島トキ子さん(77)は「最近はテレビや新聞を見るのも怖かった。勝負師は大変。いろいろ悩んだと思う」とねぎらった。

 稀勢の里は牛久市の知名度アップにも大貢献。根本洋治市長は「大横綱を郷土の皆さん、日本中の皆さんと一緒に応援できたことは大きな喜びであり、たくさんの人の財産となったと思います」と感謝の言葉を贈った。

 《後援会、予定通り応援ツアー》牛久市の稀勢の里郷土後援会はこの日、予定通りバスで両国国技館に来場した。現地集合を合わせ約90人が、おそろいのオレンジの法被姿。稀勢の里の不戦敗が告げられると、ボードを掲げながら「ありがとう稀勢の里!」と叫んだ。応援団長の石渡昇さんは、「2度目の優勝の時の“奇跡”のイメージが強かったので、3連敗していても、我々が応援して今日勝てば、残り12日間やっていけるんじゃないかと期待していた。でも、よく頑張ってくれたと思います」と話した。

 2月18日には「激励会」を予定していた。後援会の事務局は「部屋とも相談しながら、できる限り何らかの形で開催したい」としている。

 《母校資料館一般公開へ》 母校の龍ケ崎市立長山中学校にある「稀勢の里資料室」について神吉哲寛教頭(52)は今後、1カ月に1回ほど予約制という形で週末に一般公開したいとした。空き教室を利用した資料室には、寄贈された手形や卒業文集、小学校時代の秘蔵写真などを展示。神吉教頭は稀勢の里に「落ち着いたらまた学校に来てほしい」と語った。

 学校入り口の黒板には生徒が「稀勢の里先輩お疲れ様でした!たくさんの感動をありがとう」というメッセージをイラストとともに書き込んだ。稀勢の里が子供たちからも慕われていたことがうかがわれた。

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