優作 ぶっちぎりVで逆転賞金王「家族の前で勝てて良かった」

[ 2017年12月4日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 日本シリーズJTカップ最終日 ( 2017年12月3日    東京都稲城市 東京よみうりカントリークラブ=7023ヤード、パー70 )

<ゴルフ日本シリーズJT杯最終日>18番、ウイニングパットを沈めて涙する宮里優作
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 賞金ランク2位の宮里優作(37=フリー)が初の賞金王に輝いた。首位から出て1イーグル、6バーディー、ボギーなしの62をマークし4年ぶり2度目の大会制覇を果たした。日本タイトル獲得は今年の日本プロ選手権に続き3度目。ツアー7勝目、今季最多4勝目を挙げて賞金4000万円を加算し、賞金ランク1位の小平智(28=Admiral)を逆転した。選手会長の賞金王は史上初の快挙となる。

 ウイニングパットを沈めた宮里は顔を覆った。喜びの涙が頬を伝う。「やっと終わった。緊張がほどけた」。笑顔が戻ると、観客と一緒に万歳三唱した。

 賞金ランク1位の小平を逆転するには優勝しかなかった。2番で1メートルのバーディーパットを外した。「ラインを迷った。3番では集中していこうと切り替えたら迷いがなくなった」。3番で2・5メートルを沈めると5番まで3連続バーディー。6番パー5は残り221ヤードから4Iで1メートルにつけてイーグル。8番でも伸ばして前半で7打リードを奪った。

 「前半で予想以上のゴルフができた。ブレーキをかけるつもりはなかった」。ボギーなし、大会記録にあと1打に迫る62をマーク。ツアー初優勝した13年のスコア通算13アンダーを2打上回った。

 「ジャンボさん、青木さんが獲っていて賞金王はずっと憧れだった」。15年に賞金ランク2位になったが、金がキム「庚がキョン「泰がテ「に6000万円以上差をつけられ「この差を埋められるのか」と絶望的になったという。進化を示し「(以前は)ショットの技術力、メンタルコントロール、細かい精度が薄い感じがしたが、今はちょっとだけ厚みが出た」と胸を張った。37歳で初の賞金王は3番目の年長記録だが「一生に1回できるかできないかだから逆に早かった」とうなずいた。

 「家族の前で勝てて良かった」。8月に全英女子オープンの会場で倒れ療養していた父・優さん(71)が駆けつけた。ウイニングボールを手渡し「(賞金王は)良い特効薬になると思う。僕のコーチも長女(莱杏=らん=ちゃん)のコーチもしてもらわないといけないので元気でいてほしい」としみじみ語った。

 妹・藍さん(32)は姿を見せなかったが、連絡を取り合い激励されていた。妹が引退した年に自身が賞金王となる巡り合わせにも「宮里藍は色あせない。それを超えるにはメジャーで勝つしかない」と謙虚に話した。

 視線はその海外メジャーを見据える。まずは世界ランク50位以内に付与されるマスターズ出場権獲得を目指す。アジアツアーのインドネシア・マスターズ(14日開幕)や1月の米ツアー、ソニー・オープンに出場する。「(来年)4月のマスターズまでにどこまで世界ランクを上げられるか。そこを念頭に置いてやっていきたい」と力を込めた。

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