宝塚歌劇団・阪急阪神HD会見、劇団員へのパワハラ認め「全責任は劇団」遺族側と合意書締結 

[ 2024年3月28日 16:00 ]

<宝塚歌劇団会見>謝罪する阪急阪神HD・嶋田泰夫代表取締役社長、同・大塚順一執行役員(右)、宝塚歌劇団・村上浩爾理事長(左) (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)宙組に所属する女性(25)が昨年9月に急死した問題で、同歌劇団と親会社の阪急阪神ホールディングス(HD)による会見が28日午後4時、大阪府内のホテルで始まった。

 会見には阪急阪神HD・嶋田泰夫代表取締役社長(阪神電鉄社長)、同・大塚順一執行役員(阪急電鉄専務取締役)、宝塚歌劇団・村上浩爾理事長が出席した。

 嶋田社長は女性の急死について「取り返しのつかないことをしてしまった、誠に申し訳ございませんでした」と謝罪。歌劇団内でのパワハラや過重労働が原因だとする遺族側の主張を全面的に認めた。28日には、角和夫阪神阪急HD会長が遺族との合意書調印の席に出席し、遺族に対して直接謝罪した。

 宝塚歌劇団は遺族側と14項目についてのパワーハラスメントがあったことを認めたうえで、今後の再発防止についても言及。公演数を年間9興行から8興行に、1週間あたりの公演数も10回から9回に変更。また稽古スケジュールの見直しと時間管理の強化も行うこととした。さらに新人公演のスケジュールの見直しも報告した。

 また、パワハラの温床となっていた劇団の伝統や慣習についても、劇団員の意識改革や行動変容に取り組むことも報告した。宝塚歌劇団の村上理事長は「組織面に大きな不備があり、出演者やスタッフに大変な負担を与えたことを痛切に感じている。このようなことを二度と起こさない。すべての関係者がよりよい舞台づくりにして、全力で改革に取り組んでいく」と語った。

 嶋田社長は「劇団員の尊い命が失われ、信頼を大きく損なった。社会の皆様に新しい歌劇団に生まれ変わったと認めてもらうように全力で取り組んでいく」と語り、深々と頭を下げた。

≪宝塚・宙組女性急死問題 これまでの経過≫ 
 ▼23年2月 週刊誌で宝塚宙組内での「いじめ」報道 
 ▼9月29日 宝塚大劇場で宙組公演開幕 
 ▼9月30日 週刊誌でいじめを受けたと報道された宙組所属団員が、宝塚市内で転落死。自殺とみて兵庫県警が捜査
 ▼10月1日 宙組公演急きょ中止。歌劇団理事長が宝塚バウホール「宝塚舞踊会」で異例のあいさつ、哀悼の意
 ▼10月7日 歌劇団が原因究明のための「調査チーム」立ち上げを発表
 ▼10月20日 宙組公演全日程中止を発表
 ▼11月10日 遺族側が都内で会見。長時間労働とパワハラが急死の原因として歌劇団側に謝罪と補償を要求
 ▼11月14日 歌劇団が会見。外部弁護士による調査結果を公表し、いじめを否定。木場理事長の12月1日での辞任を発表
 ▼11月24日 歌劇団側と遺族側が面談
 ▼12月7日 遺族側がパワハラの証拠とする意見書を公表
 ▼12月14日 歌劇団が調査報告書を公式サイトから削除
 ▼12月19日 歌劇団側と遺族側が2回目の面談
 ▼24年1月24日 歌劇団側と遺族側が3回目の面談。女性の母と妹が心情伝える
 ▼2月14日 歌劇団側と遺族側が4回目の面談
 ▼2月27日 遺族側が会見し、歌劇団側が一部パワハラを認めたと明かす。ただ多くの点で主張が異なり合意に至らず
 ▼3月26日 歌劇団側が遺族に謝罪の方針固める。合意文書締結に向け詰めの協議へ 
 ▼3月28日 歌劇団が会見

続きを表示

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2024年3月28日のニュース