藤井王将 初めての佐賀で防衛決める! 大雨やコロナで実現せず“4度目の正直”

[ 2023年3月11日 05:00 ]

対局の地、佐賀県上峰町の大幸園で笑顔を見せる藤井王将(左)と羽生九段
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 藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に羽生善治九段(52)が挑む将棋の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)第6局第1日は11日午前9時に佐賀県上峰町の料亭「大幸園」で始まる。10日は同所で対局場検分が行われた。藤井が初防衛ヘあと1勝の3勝2敗で迎え、先手は羽生。藤井は王将戦や王位戦で計3局、大雨災害などで流れた佐賀対局への意欲を語った。

 4月開幕の名人初挑戦を8日に決め、快進撃がなお続く20歳からは聞き慣れない言葉だった。「何度か佐賀県に呼んでもらって、対局が初めてとうっかりしていました」。盤駒や室温を確認した検分後の取材に、藤井は苦笑いした。

 王位戦は過去2年の佐賀対局を直前で見送った。21年8月は、佐賀県嬉野市で予定した第4局を記録的大雨のため大阪・関西将棋会館での開催に変更。昨年第4局は、挑戦者の豊島将之九段(32)が新型コロナウイルスに感染し、当初徳島市で計画した第5局を第4局へ繰り上げた。

 また王将戦は昨年2月、第5局を上峰町で準備したが、藤井が4連勝奪取したため実現しなかった。そのため、対局に合わせて当地で代替開催された祝勝会に出席した。

 4度目でついに実現する佐賀対局。その反響を、連盟佐賀県支部連合会の山口宗一郎事務局長(55)は「今までと比べものにならない大きさ」と表現。あす12日に上峰町民センターで開く大盤解説会は、一昨年までの2倍以上450人を定員として募集しても1000人以上の応募があったという。

 「楽しみにしてもらってうれしいし、期待に応えるよう精いっぱい頑張りたい」と藤井。奪取直後に訪れた1年前、地元へ寄贈する揮毫(きごう)に「王将 藤井聡太」と添えた。

 王将初仕事をした地で臨む、初防衛をかける一局。「読みと形勢判断の精度を上げる。そういう意識でやりたい」。年明けすぐ1月8、9日の第1局から開幕した7番勝負も3月に突入し「花粉が結構きます」。自らの花粉症を告白する精神的余裕に、充実ぶりを感じさせた。 (筒崎 嘉一)

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