江原真二郎さん死去 ライオン歯磨き粉CM 中原ひとみとおしどり夫婦 難病「進行性核上性まひ」

[ 2022年12月10日 04:48 ]

87年6月、知人の結婚披露宴に出席した中原真二郎さんと中原ひとみ夫妻
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 映画「米」「純愛物語」、ドラマや舞台で二枚目スターとして活躍した俳優の江原真二郎(えはら・しんじろう、本名・土屋基定=つちや・もとさだ)さんが9月27日、難病指定されている進行性核上性まひのため神奈川県の施設で死去した。85歳。京都市出身。葬儀は近親者で営んだ。喪主は妻で女優の中原ひとみ(86)。

 所属事務所によると、16年ごろから体調を崩した。18年に中原がテレビ朝日「徹子の部屋」で江原さんのパーキンソン病を公表。21年7月に江原さんが誤嚥(ごえん)性肺炎で緊急搬送されたことを機に、同年10月からパーキンソン病の専門施設に入所した。

 今年9月、体調を崩して病院に運ばれて1週間入院。その後持ち直して、神奈川の施設に入った。同20日ごろから亡くなるまでの1週間は中原、娘で女優としても活動した土家里織さん(53)一家に囲まれて過ごした。同27日に家族がみとる中、静かに息を引き取った。事務所は「病気と闘いながら穏やかな日々を過ごしていました」と明かした。

 江原さんは54年に映画「若い瞳」でデビュー。57年、今井正監督が農村の実態にスポットを当てた「米」でいきなり主役に抜てきされ、これが出世作となった。今井監督には続く「純愛物語」(57年)でも起用され、中原との縁結びの一本にもなった。

 3年後の60年に中原と結婚し、おしどり夫婦として知られた。2人の子供に恵まれ、72年から82年まで、♪白い歯っていいな~ホワイト&ホワイトで知られるライオン歯磨き粉のCM「ホワイト&ホワイト」に家族4人で出演。理想的な家族のイメージをお茶の間に定着させた。子供たちはともに俳優の道に進んだが、長男の土家歩さんが90年5月16日に交通事故で26歳の若さで死去した。

 最愛の夫を失った中原は、20年に子宮頸(けい)がんを発症して闘病中。近くに住む娘夫婦に支えられて独り暮らしを続けている。

 江原 真二郎(えはら・しんじろう、本名土家基定=つちや・もとさだ)1936年(昭11)10月12日生まれ、京都府出身。54年1月末に東映京都撮影所へ入所。舞台「晩菊」に出演し、96年に第22回菊田一夫演劇賞を受賞。主な映画は「米」「純愛物語」「宮本武蔵シリーズ」など。テレビドラマは「張込み」「不毛地帯」など。中原ひとみと夫婦で眼鏡店「愛眼」のCMに出演。

 ▽進行性核上性まひ 大脳基底核、脳幹、小脳などの神経細胞が減少して転びやすくったり、会話や飲み込むことが困難になったりする症状が見られる疾患。日本での患者は人口10万人あたり10~20人程度と推測され、厚生労働省の指定難病になっている。根本的な治療薬はまだない。

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