【芸人イチオシ】芸能記者・中西正男氏 「ずるが通用しない」芸人の世界で売れる共通点とは

[ 2022年12月10日 19:36 ]

初の著書「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」を手にする中西正男氏
Photo By スポニチ

 芸能記者・中西正男氏(48)は24年間、お笑い界を見つめ続けてきた。そこで気付いた「売れっ子の共通点」とは一体、何か。初の著書となる「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」(マキノ出版)にその答えが書いてある。

 明石家さんま、ダウンタウン、笑福亭鶴瓶、上沼恵美子ら今まで関わってきた25組の芸人を掲載。発売後、わずか1日でRakutenブックスの演芸部門で1位になるなど話題を呼んでいる。

 「芸人さんの世界は、ずるが通用しない真っ当な世界」。それが中西氏の考えだ。

 その中にあって「売れる芸人」とは「可愛げのある人」と断言した。可愛げを分かりやすく説明すると「一緒に仕事をしたいと思える人」「一緒にいたら楽しいな、うまくいきそうだなと思ってもらえる人」という。

 「それがずーっと継続できることが売れるということ」と分析。だからこそ芸人の世界では、ずるは通用しない。「なんちゃって」ではすぐに底が割れてしまう。

 中西はこれからも書籍や記事、番組を通じて「多くの芸人さんから学んだ凄いノウハウを若い芸人さんに還元していきたい」という。芸人でもない中西氏が、なぜそう思うのか。それは、たくさんの優しさに触れてきたからでもある。

 8年前に父親を亡くした時、親交のあったガダルカナル・タカ(65)から食事に誘われた。いつも以上に明るく、おかしな話をして楽しい時間を過ごした。店を出るタイミングで初めてタカから「色々と大変なこともあるだろうけど、困ったことがあったら、言ってくれよな」と声をかけられたという。父親のことは伝えていなかったのだが周りから聞いて知っていたのだ。

 「おしゃれで、本当に男前な方です」。その心遣いに感謝した。そんな芸人の優しさに触れ、いつか恩返しをしたいと思うようになったことも本を手がけたきっかけである。

 人を笑わせるには、根底に「愛情」がないと成立しない。

 「原稿くらい目を瞑ってても書けると思っていたけど、頭の中にあるほぼ無限の材料でどのように調理するか悩んで、なかなか筆が進まなかった」。普段とは違った執筆作業に手間取ったが、記者としての四半世紀分の思いを凝縮した。

 帯を担当した東野幸治(55)も「てんこ盛りの芸人愛が詰まった一冊」と大絶賛。それぞれの素顔がかいま見えるイチオシエピソードがたっぷり。中西氏いわく「空気をつかさどる仕事」の達人たちの生き様は人生のヒントにもなる。

 ◇中西 正男(なかにし・まさお) 1974年(昭49)9月19日生まれ、大阪府出身の48歳。立命館大学卒。大学卒業後99年にデイリースポーツ社へ入社し、芸能担当記者としてお笑い、落語、宝塚などの現場を取材。2012年に同社を退社し、芸能ジャーナリストの井上公造氏(65)が代表を務めるKOZOクリエイターズに所属。芸能記者として執筆やテレビ、ラジオ出演をしている。

続きを表示

2022年12月10日のニュース