桂福団治「遺言みたいな曽呂利噺を復活させたい」 82歳の誕生日に「曽呂利寄席」開催決定

[ 2022年10月6日 14:11 ]

「桂福団治 復活 曽呂利寄席」の発表会見に“曽呂利新左衛門”風の衣装で登場した桂福団治
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 落語家・4代目桂福団治(81)が82回目の誕生日となる10月26日に「復活 曽呂利寄席」(心斎橋角座)を開催することを6日、発表した。福団治は「人情話の福団治と言われてますが、遺言みたいな曽呂利噺を復活させたい」と意気込みを語った。

 1960年、3代目桂春団治に入門した福団治は現在、上方落語協会所属の落語家では最古参。11年12月、豊臣秀吉のお伽衆として仕えた曽呂利新左衛門の「曽呂利噺」の復活のため「曽呂利寄席」を開場した。以来6回続けたが、16年8月を最後に「人情話、手話落語に力を入れた」ため、「曽呂利噺」から遠ざかっていた。

 今回、6年ぶりの復活は「82歳の誕生日に何かやりましょう」と松竹芸能から持ちかけられて実現。権力者を怒らせず、やんわりやりこめたり、からかったりする「曽呂利噺」を5、6題。もちろん、得意の人情話も「季節柄、“蜆売り”か“鼠(ねずみ)穴”か。お客さんの顔を見ながら決めます」と披露する予定だ。

 秀吉のお伽衆・曽呂利新左衛門は伝説上の人物で、1039の笑話を集めた「醒酔笑(せいすいしょう)」の著者・安楽庵策伝(あんらくあん さくでん)をモデルに創作されたとも言われている。策伝は茶人で落語家の祖とされる。明治から大正にかけ落語家・桂文之助が「二世曽呂利新左衛門」を名乗って活躍した。

 福団治は最近も心臓や胃の精密検査をしたが「どこも悪いところはなかった」そうで、マネージャーによると「1駅、歩いてます。毎日飲みに出かける」と82歳にして健康そのものだ。目標は「卒寿で落語会をやれたら素晴らしい」。人情話に、曽呂利噺を引っさげ90歳で高座に上がりたい。

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2022年10月6日のニュース