中村梅玉が人間国宝 歌舞伎界代表する立役 YOASOBIが芸の肥やし!?「気を若く」今も美少年演じる

[ 2022年7月23日 05:20 ]

記者会見で写真に納まる、人間国宝に選ばれた歌舞伎立役の中村梅玉
Photo By 共同

 歌舞伎俳優の中村梅玉(75)が、重要無形文化財の保持者(人間国宝)に認定されることが22日、発表された。現役の歌舞伎俳優では5人目。

 1956年の初舞台から66年。9歳の時に、子供がいなかった女形の名優で人間国宝だった六代目中村歌右衛門さんの養子になり、芸に励んできた。

 認定の一報を受けたのは6月に体調不良で東京・歌舞伎座の公演を休養した時。都内で行われた会見で「自分も年を取ったと落ち込んでいた中、うれしくて一気に立ち直りました」と振り返った。歌右衛門さんの墓前にはすでに報告したといい「あの世で“お前さんもそこまで行ったか。私は認めないけどね”と言っていると思います」と笑った。

 歌舞伎界を代表する立役として知られ、二枚目の役柄に定評がある。70歳を超えても若い美少年を演じ続けられる理由について「気を若く持つように心掛けてきました」と秘訣(ひけつ)を披露。YouTubeで新しい音楽をチェックしているといい「最近はYOASOBIにハマっています」と明かした。歌舞伎俳優は“夜遊び”も芸の肥やしといわれることもあるが、梅玉は“今どきのYOASOBI”だ。

 サザンオールスターズの大ファンとしても知られ、桑田佳祐(66)からも刺激をもらっている。一度京都で会い意気投合したこともあり「桑田さんも頑張ってるから、こっちも頑張らなきゃと思う。桑田さんも今の音楽を聞いて、新しい音楽を作っている。そういうことが大切なことだと思う」と話した。

 人間国宝として、伝統文化を後世に伝える役割も今まで以上に求められる。「みんなと力を合わせて、歌舞伎界をますます発展させていきます」と前を見据えた。

 ◇中村 梅玉(なかむら・ばいぎょく、本名河村順之=かわむら・としゆき)1946年(昭21)8月2日生まれ、神奈川県出身の75歳。56年に加賀屋福之助を名乗り初舞台。67年に八代目中村福助、92年に四代目中村梅玉を襲名した。「勧進帳」の源義経などが当たり役。07年に紫綬褒章を受章。男子の子供がいないため、19年に一般家庭出身で部屋子だった中村梅丸に初代中村莟玉(かんぎょく)を名乗らせ、養子とした。

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