アカデミー賞 助演男優賞はトロイ・コッツァー 手話でスピーチ 会場は「拍手」のジェスチャーで祝福

[ 2022年3月28日 10:47 ]

米アカデミー賞助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァー(ロイター)

 米映画界最大の祭典、第94回アカデミー賞の発表・授賞式が27日(日本時間28日)、ロサンゼルス・ハリウッドのドルビー・シアターで開かれ、助演男優賞は「コーダ あいのうた」のトロイ・コッツァー(53)が受賞した。

 耳の不自由な両親と兄を持ち、家族内では唯一耳が聞こえる少女の夢と葛藤を描いた作品。実際に耳の聞こえない俳優たちが主人公の家族を演じ、コッツァーは父親役を熱演した。

 受賞が決まると、会場では両手を顔の横でひらひらとさせる「拍手」のジェスチャーで称えた。

 コッツァーは壇上で手話でスピーチ。「ここに立つことができて、本当にすごいことです。信じられません。アカデミーの皆様に評価していただいて感謝します」と感激の面持ち。「私が今までろう者のための舞台に立つことができたことは大勢の方々のお陰です。その方々に感謝申し上げたいと思います。スピルバーグ監督の本を読んだんですが、最高の監督の定義というのは、非常にスキルのあるコミュニケーターであると。シアン・ヘダー監督は最高にスキルの高いコミュニケーターです。障がい者とそうではない人たちの橋渡し役を務めてくれた。いつまでもそれはハリウッドに残る橋になるでしょう」とし「私の父は最高の手話ができる人でした。彼は自動車事故で体に麻痺が残り、手話ができなくなりました。父から多くのことを学びました。いつも愛してます。私にとって英雄です。これはろう者の、コーダのコミュニティー、障がい者のコミュニティーに捧げます。これは私たちの瞬間です」と述べて、会場から万雷の拍手を浴びた。

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