【アカデミー賞】「ドライブ・マイ・カー」は作品賞ならず 「コーダ あいのうた」が受賞

[ 2022年3月28日 12:34 ]

米アカデミー賞作品賞受賞を喜ぶ「コーダ あいのうた」出演者、スタッフたち(AP)
Photo By AP

 米映画界最大の祭典、第94回アカデミー賞の発表・授賞式が27日(日本時間28日)、ロサンゼルス・ハリウッドのドルビー・シアターで開かれ、日本映画として初めて作品賞にノミネートされていた濱口竜介監督(43)の「ドライブ・マイ・カー」は受賞を逃した。シアン・ヘダー監督の「コーダ あいのうた」が受賞。女性監督作が作品賞に輝くのは、昨年の「ノマドランド」に続き2年連続となった。

 「コーダ あいのうた」は、耳の不自由な両親と兄を持ち、家族内では唯一耳が聞こえる少女の夢と葛藤を描いた作品。

 「ドライブ…」は昨年のカンヌ映画祭脚本賞を皮切りに、全米、ロサンゼルス、ニューヨークなど主要な映画批評家協会賞で作品賞を獲得。アカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデン・グローブ賞でも非英語映画賞に輝くなど賞レースを席巻。今月13日には英国アカデミー賞で85年の黒澤明監督の「乱」(当時は外国語映画賞)以来となる非英語映画賞を受賞した。日本でも毎日映画コンクールの日本映画大賞と監督賞をダブル受賞、日本アカデミー賞では作品、監督、主演男優、脚本、編集、録音、撮影、照明の最多8部門で最優秀賞を受賞した。

 同作は村上春樹氏(73)の短編集「女のいない男たち」収蔵の同名小説が原作。西島秀俊(50)が演じる妻を亡くした舞台俳優兼演出家が、専属の女性運転手(三浦透子)と出会い再生していく物語。普遍的な人間ドラマが評価されたことに加え、米国でも長引く新型コロナウイルスの影響により製作や公開の延期が相次いだことで、21年に公開された作品の絶対数が少なかったことが受賞ラッシュにつながった。

続きを表示

2022年3月28日のニュース