【アカデミー賞】「ドライブ・マイ・カー」国際長編映画賞!濱口監督「獲りました!」オスカー像対面に感慨

[ 2022年3月28日 10:30 ]

米アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞し、トロフィーを手に喜ぶ「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督(右)(AP)
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 米映画界最大の祭典、第94回アカデミー賞の発表・授賞式が27日(日本時間28日)、ロサンゼルス・ハリウッドのドルビー・シアターで開かれ、濱口竜介監督(43)の「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞(元外国語映画賞)を受賞した。日本映画としては2008年「おくりびと」(滝田洋二郎監督)以来13年ぶりの快挙となった。

 登壇した濱口監督はオスカー像を手にし「ユー・アー・ザ・オスカー」と“初対面”に感慨。英語のスピーチでアカデミー会員らに感謝を捧げた後、会場にいる西島秀俊らの名前を挙げて日本語で「おめでとうございます」とキャストを祝福。最後は日本語で「獲りました!ありがとうございます」とオスカー像を高く掲げた。

 「ドライブ…」は昨年のカンヌ映画祭脚本賞を皮切りに、全米、ロサンゼルス、ニューヨークなど主要な映画批評家協会賞で作品賞を獲得。アカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデン・グローブ賞でも非英語映画賞に輝くなど賞レースを席巻。今月13日には英国アカデミー賞で85年の黒澤明監督の「乱」(当時は外国語映画賞)以来となる非英語映画賞を受賞した。日本でも毎日映画コンクールの日本映画大賞と監督賞をダブル受賞、日本アカデミー賞では作品、監督、主演男優、脚本、編集、録音、撮影、照明の最多8部門で最優秀賞を受賞した。

 同作は村上春樹氏(73)の短編集「女のいない男たち」収蔵の同名小説が原作。西島秀俊(50)が演じる妻を亡くした舞台俳優兼演出家が、専属の女性運転手(三浦透子)と出会い再生していく物語。普遍的な人間ドラマが評価されたことに加え、米国でも長引く新型コロナウイルスの影響により製作や公開の延期が相次いだことで、21年に公開された作品の絶対数が少なかったことが受賞ラッシュにつながった。

 ◇濱口 竜介(はまぐち・りゅうすけ)1978年(昭53)12月16日生まれ、川崎市出身の43歳。東大文学部卒。助監督などを経て、東京芸大大学院映像研究科に入学。15年に「ハッピーアワー」がロカルノ国際映画祭で注目を集めた。18年の「寝ても覚めても」はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品。「偶然と想像」は昨年のベルリン国際映画祭で最高賞に次ぐ審査員大賞に輝いた。

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