「ドライブ・マイ・カー」米アカデミー賞受賞なるか 濱口監督「夢の世界楽しみたい」 

[ 2022年3月28日 05:30 ]

(右から)濱口竜介監督、西島秀俊、岡田将生、霧島れいか(共同)
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 米映画界最大の祭典、第94回アカデミー賞の授賞式を前に、日本映画として初の作品賞など4部門でノミネートされた「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督(43)らが26日(日本時間27日)、米ロサンゼルスで日本メディア向けの会見を行った。

 濱口監督は「世界から素晴らしい映画人が集まる夢の世界。一映画ファンとして単純に楽しみたい」と抱負を語った。候補者が集う夕食会では、スティーブン・スピルバーグ監督(75)と言葉を交わし「一つ一つ(のエピソード)が映画史そのもの。めくるめく体験でした」と顔をほころばせた。スピルバーグ監督は「ドライブ…」について「家族で見に行った。素晴らしかった」と語ったという。

 会見には現地入りしたばかりの西島秀俊(50)、霧島れいか(49)、岡田将生(32)も出席。主演の西島は「感じたことを持ち帰り、日本の若い世代やスタッフと共有したい」と話した。同作は作品賞と監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門でノミネートされている。

 授賞式は27日(同28日)、ハリウッドのドルビーシアターで開催される。ゴールデン・グローブ賞など前哨戦を総なめにしていることから「ドライブ…」の国際長編映画賞(元外国語映画賞)最有力候補は揺るがない。映画サイト「オスカーノユクエ」などによればノルウェー作品「わたしは最悪。」が猛追しているが、かなりの確度で「おくりびと」以来13年ぶりの戴冠が見られそうだ。

 作品賞、監督賞は最多11部門12ノミネートの「パワー・オブ・ザ・ドッグ」(監督ジェーン・カンピオン)が大本命。投票は作品賞のみ候補10作に順位をつけて合計点が最も高い作品に贈られるため、番狂わせが起きる可能性もある。脚色賞は過去に非英語映画が受賞した例はない。原作の村上春樹氏の人気でどこまで票を伸ばせるか注目だ。

 ≪ブックメーカーは大穴予想≫複数の海外ブックメーカーサイトは「ドライブ・マイ・カー」の作品賞受賞は大穴と予想している。日本時間27日午後6時現在のオッズは、英国の老舗「ウィリアムヒル」で67倍、同じく英国に本社を構える「bet365」で101倍。ウィリアムヒルでは、1番人気から順に「コーダ あいのうた」1.80倍、「パワー・オブ・ザ・ドッグ」2.10倍、「ベルファスト」13倍と続く。bet365でも同じ順で1.90倍、2.10倍、17倍。作品賞は事実上「コーダ…」と「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の一騎打ちの様相だ。

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2022年3月28日のニュース