王将戦第6局 明暗この一手 永瀬に方針委ねた渡辺の▲4五角

[ 2021年3月15日 05:30 ]

スポニチ主催 第70期王将戦7番勝負第6局第2日 ( 2021年3月14日    島根県大田市・さんべ荘 )

A図                             
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 【明暗この一手 関口武史】

 封じ手直後の△2三金(46手目)~△1三金が異筋に見えるが永瀬らしい強じんな受け。さすがの渡辺も「読みになく長考になった」と語るように、2日目午前は長考が目立つ。

 馬が手厚く、捉えどころのない永瀬陣だったが、渡辺は▲7二歩(53手目)と小技を効かす。手番を得ると▲3三歩成(57手目)~2五桂と局面のシンプル化に成功した。

 そして▲4五角(A図)が本局の命運を託した一手。攻めては右サイドなら▲2三角成(69手目)、左サイドからなら▲7五歩△同銀▲同銀△同馬▲6三角成も視野に入れ、受けては△3六歩▲同銀△2四桂▲4七銀△3六桂打の筋を防いでいる。

 攻防の角打ちで永瀬に方針を委ねた渡辺。永瀬は攻め合いを見送り△5四桂(66手目)と我慢するが、それでも渡辺は直後に▲7五歩~2三角成と強く踏み込み、永瀬陣を打ち砕く。優位を確保してからは終始手堅い指し回しで、貫禄の3連覇と言える。(スポニチ本紙観戦記者)

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