永瀬王座、打倒渡辺王将へ「軍曹」の気迫「成長できた部分をぶつけていきたい」

[ 2021年1月4日 05:30 ]

10日開幕 スポニチ主催第70期王将戦7番勝負

永瀬王座の実家はラーメン店「川崎家」(川崎市)。 さあ召し上がれ!(撮影・我満 晴朗)
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 今年度の対局数(54)と勝利数(35)はともに1位。永瀬王座は6月に週4局という激烈な過密日程をこなしながら白星を積み上げてきた。「なかなか得がたい経験でしたね…。回数を重ねるごとに慣れていった部分もありましたが」と遠い目で回顧する。

 将棋に対する真摯(しんし)な姿勢と、千日手や持将棋を辞さない棋風から「軍曹」のニックネームがある。初登場だった昨年の挑戦者決定リーグは開幕5連勝と破竹の快進撃だったが、最終局で広瀬章人八段(33)に敗れ、豊島将之竜王(30)とのプレーオフに。叡王戦で9局に及ぶ死闘を繰り広げ、タイトルを奪われた宿命のライバルを下した瞬間は「信じられなかった。リーグ残留が目標だったので」と実直な心境も明かした。

 「年末年始は王将戦を意識して過ごした」という永瀬。渡辺とは18年の棋王戦以来の番勝負となる。「その時より少し自分なりに成長できた部分をぶつけていきたい。前の番勝負よりいい勝負ができるよう、自分なりに頑張ります」と意欲を示していた。

 ◆永瀬 拓矢(ながせ・たくや)1992年(平4)9月5日生まれ、神奈川県出身の28歳。2009年に四段昇段。16年の棋聖戦でタイトル初挑戦したが羽生善治棋聖(当時)に敗退。18年は棋王戦で渡辺棋王に挑んだが2勝3敗で惜敗。翌19年に叡王、王座を連続奪取し、20年は王座を防衛し九段となった。

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2021年1月4日のニュース