俳優の福本清三さんが死去 77歳 「5万回斬られた男」の異名

[ 2021年1月4日 16:35 ]

福本清三さん
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 時代劇などで「5万回斬られた男」の異名をもつ俳優の福本清三(ふくもと・せいぞう、本名 橋本清三、はしもと・せいぞう)さんが1日に京都市の自宅で肺がんで死去していたことが4日、分かった。77歳。兵庫県出身。葬儀は故人の遺志により、すでに親族のみで家族葬が営まれた。

 1943年(昭和18年)生まれ。中学卒業後、親類が経営する米穀店の後継ぎになったが、59年に東映京都撮影所に入社。20代後半から斬られ役専門となり、「大部屋俳優」として、東映京都や関連会社が制作したほぼ全ての時代劇に出演。「斬られ役」として東映以外の作品でも起用された。

 78年のテレビ時代劇「柳生一族の陰謀」(フジテレビ)や82年公開の映画「伊賀忍法帖」などにも出演。02年、ハリウッド映画「ラストサムライ」に出演し、何度話しかけられても何も答えない寡黙なサムライを演じた。

 03年に東映を定年となったが、その後も嘱託という形で東映に籍を置いたまま俳優業を継続。06年にはNHK大河ドラマ「功名が辻」に斬られ役として出演した。14年には映画「太秦ライムライト」で「斬られ役一筋のベテラン俳優」の役で初めて主演を務めた。04年に第27回日本アカデミー賞協会特別賞を受賞。

 著書に自らの半生を語った「どこかで誰かが見ていてくれる~日本一の斬られ役・福本清三~」(01年)などがあり、12年には中学3年生を対象にした道徳の副読本に自身の生き方がつづられたエッセイ「五万回斬られた男」が収録された。

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