「教場2」“宮坂くん”工藤阿須加 衝撃展開にネット涙…別プロットから変更 風間教官に“因果”

[ 2021年1月4日 05:00 ]

「教場2」前編。前作に続き、宮坂を演じた工藤阿須加(C)フジテレビ
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 俳優の木村拓哉(48)が主演を務めるフジテレビの新春スペシャルドラマ「教場2」の「前編」が3日(後9・00~11・25)に放送され、工藤阿須加(29)演じる主人公の教え子に衝撃展開が待っていた。

 <※以下、ネタバレ有>

 木村が警察学校の鬼教官を演じ、好評を博した昨年の新春ドラマに続く第2弾。原作は「週刊文春ミステリーベスト10」第1位(2013年)、「このミステリーがすごい!」第2位(14年)を獲得し、13年にミステリー界を席巻した長岡弘樹氏の同名小説。警察学校を舞台に繰り広げられる人間模様を描き、新しい警察小説としてベストセラーに。シリーズ化され、累計90万部(紙+電子)を数える。

 昨年1月4、5日にフジテレビ開局60周年特別企画としてファン待望の映像化が実現。役者人生初となる木村の白髪姿や冷酷無比なキャラクターが新境地と話題を呼び、緊迫のストーリー展開も相まって前編15・3%、後編15・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯)と高視聴率をマークした。

 木村が引き続き演じるのは、神奈川県警警察学校が誇る“最恐”の教官・風間公親(きみちか)。異様に鋭い観察眼を持つ風間は問題のある生徒たちの微細な変化を察知し、徹底的に追い詰め「君にはここを辞めてもらう」と次々に退校届を突き付ける。今回は前作から2年後。200期の生徒が入学してくる。

 工藤が演じたのは、前作のストーリーテラーにして198期のメイン生徒の1人、宮坂定(さだむ)。雪山事故の際に警官に助けられことから憧れを抱き、2年の小学校教職生活をへて、夢を叶えるべく入校。極限状態に追い込まれるなど、葛藤しながら成長を遂げた。

 悲報は続編前編の終盤、突如として舞い込んだ。四方田(よもだ)学校長(小日向文世)に呼び出された風間(木村)はDVDを手渡される。そして、視聴覚室。各地の交番から招集された宮坂の同期たち(川口春奈、味方良介、村井良大、大島優子、三浦翔平)に、風間は告げた。

 「近くの交差点だ。信号機が故障して宮坂が交通整理を行った。そこで車にはねられた。今朝、病院で息を引き取った」

 宮坂が指導員として励ましていた200期の問題児・漆原(矢本悠馬)が通り掛かり、遅刻しそうになっていたところ、車を制して通してやった。直後の事故だった。

 外の花壇。漆原が現れると、日下部(三浦)は感情を抑えられず「おまえか。宮坂がどんな思いで警察官になったか!」。悲しみのドン底に沈む同期たちに、風間は「君たちは警察官失格だな。今、この時に街で何も起きていないとでも思っているのか。職務で弔え!」――。一同は宮坂に敬礼。同期たちが職務に戻り、1人になった風間は宮坂を思い、天を仰いだ。

 宮坂の殉職は原作にはないエピソード。水曜劇場「若者のすべて」(1994年)「ギフト」(97年)、木曜劇場「眠れる森」(98年)、月9ドラマ「空から降る一億の星」(02年)「プライド」(04年)などの作品を手掛け、木村と共にテレビドラマ界の伝説を築いてきた同局の名匠・中江功監督(57)は、メガヒット作「踊る大捜査線」シリーズなどで知られる脚本・君塚良一氏(62)のアイデアだと明かす。

 「最初は『君塚さん、それはあり得ませんよ』と思いました」という中江監督だが、前作後編ラストの卒業式、風間は宮坂と握手し「死ぬなよ」と言葉を掛けた伏線もあり「風間も『自分が“死ぬなよ”と言ってしまったから…(宮坂が死んだのか)』と苦しむことになり、物語としてのインパクトは一番ある。別案のプロットも書いてもらっていたのですが、考え直して、数日後に君塚さんにもう一度、宮坂の殉職でお願いしました」

 風間は以前、学校長が送り出した生徒と組み、捜査をしていたが、その生徒も若くして亡くした過去もある。「第1弾のラストで風間が宮坂に『死ぬなよ』と言った段階で、今度は風間が宮坂を亡くすという因果の予感が既に君塚さんの中にあったのかもしれません」と打ち明けた。

 SNS上には「宮坂くん、ウソだろ…」「宮坂くんショックから抜け出せそうにない」「急展開すぎて心がついていかない」「教場に泣かされるとは思わなかった」「前回の『死ぬなよ』が現実になってしまった」などの書き込みが続出。放送終了時(午後11時25分)には「#教場2」がツイッターの国内トレンド2位、「宮坂くん」が7位に入るなど、反響を呼んだ。

 今夜4日は、さらに濃密な「後編」。中江監督は「視聴者の皆さんには、エンドロールになっても気を抜かれることなく、最後までご覧いただけると幸いです」と呼び掛けた。

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