99年自己破産…「元金持ちやぞ」自虐キャラでバラエティーも開拓 借金膨らんでも骨董品収集に没頭

[ 2020年9月16日 05:30 ]

岸部四郎さん死去

13年12月、ザ・タイガース再結公演に車椅子で登場した岸部さん
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 グループサウンズ「ザ・タイガース」のメンバーで、俳優や司会者としても活躍した岸部四郎(きしべ・しろう)さんが8月28日午前4時33分、拡張型心筋症による急性心不全のため千葉県内の病院で死去したことが15日分かった。71歳。京都府出身。葬儀は近親者で営んだ。サイドビジネスの失敗などで5億円を超える負債を抱えて99年3月に自己破産。加えて病魔にも襲われ、波瀾(はらん)万丈の人生を送った。

 お人よしが過ぎて「ザ・タイガース」の同僚だった森本太郎のほかにも次々と連帯保証人となっていた四郎さん。貯金ができない上に浪費癖もあった。99年の自己破産後、文芸春秋に寄せた手記で、5億円超の借金の主な原因は病的な骨董(こっとう)品コレクションだったと明かしている。

 08年のテレビ朝日「オーラの泉」では「憧れの画家の絵が自分の部屋の壁に飾れた時は“やったあ”という感じ」と、借金が膨らんでも収集癖は収まらなかったと説明した。

 バブル時代には手広く事業を展開した。88年に会員制ヘリコプターの運航委託会社の共同経営に乗り出し、翌89年には米ロサンゼルスで10億円のディスコを買収。一時は高額納税者ランキングの常連だった。

 破産後は「借金王」として、フジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」などのバラエティー番組で活躍。02年、日本テレビ「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」で落とし穴に落とされた時に放った「オレを誰やと思うてんねん。元金持ちやぞ」という自虐的なセリフが大ウケし、同番組にも一時、出演を重ねた。

 11年には日テレ系「情報ライブ ミヤネ屋」で、本人いわく15万円の価値があるという古書が640円で売られてしまうハプニングもあった。

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2020年9月16日のニュース