西遊記で共演の“孫悟空”堺正章「シローちゃんは戦友」 沙悟浄役で人気博した岸部さんを追悼

[ 2020年9月16日 05:30 ]

岸部四郎さん死去

タレントの堺正章
Photo By スポニチ

 先月28日に71歳で亡くなった岸部四郎さんの訃報を受け15日、芸能界から惜しむ声が相次いだ。「ザ・スパイダース」で四郎さんの「ザ・タイガース」としのぎを削り、ドラマ「西遊記」で共演した堺正章(74)は「戦友みたいな存在」と語った。

 飄々(ひょうひょう)としたキャラクターで、俳優としても活躍した四郎さん。お茶の間にその人気を広めたのは、1978年から放送されたドラマ「西遊記」(日本テレビ)でのカッパの沙悟浄(さごじょう)役だった。

 孫悟空役を演じた堺は本紙の電話取材に応じ「役が決まった時、シローちゃんに“どうしたらいい?”と演技の相談を受けたんだ」と明かした。堺は「地でいけよ」とアドバイスしたという。

 「僕の猿は江戸弁、シローちゃんのカッパは関西弁、西田(敏行)さんの豚は東北なまり、とみんなの中でなんとなくキャラクターが決まっていった。シローちゃんはあのまんまで、味わいあるキャラクターが出来上がった」と振り返った。

 そもそも、同じグループサウンズ出身で「同じ時代を戦ってきた戦友みたいな存在」だった。途中からザ・タイガースに加入した四郎さんを「ユーモアがあり、タイガースにいい意味での“ゆるみ”をもたらした」と評価。浮き沈みのあった四郎さんの人生。常に気になる相手だったという。

 2013年に四郎さんが車いすでザ・タイガースのライブに登場した映像を目にした時は「“ああ、シローちゃん。生きててくれればそれでいいよ”と思った。熱いものがこみ上げた」と語った。

 「ああいう味わい深い人と知り合いになれたのは僕の人生の中で貴重な体験」と悼んだ。

 ▽西遊記 78~79年放送。中国の同名古典小説が原作で、孫悟空ら一行が天竺(インド)を目指す冒険ファンタジー。大人も楽しめる特撮ドラマの先駆け的な作品だった。日本テレビ開局25年記念として企画され、当時としては画期的だった中国ロケが行われた。「ゴダイゴ」が歌唱したオープニング曲「Monkey Magic」やエンディング曲「ガンダーラ」は大ヒットした。第2部が79~80年に放送された。

続きを表示

この記事のフォト

2020年9月16日のニュース