立会人・谷川九段、藤井七段の充実度に注目 最年少タイトル戦第2弾「王位戦」1日開幕

[ 2020年7月1日 05:30 ]

王位戦7番勝負第1局のオンライン前夜祭に出席した藤井聡太七段(右)、立会人の谷川浩司九段(提供・日本将棋連盟)
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 将棋の第61期王位戦7番勝負が1日、愛知県豊橋市の「ホテルアークリッシュ豊橋」で開幕する。史上最年少で初戴冠を狙う藤井聡太七段(17)が、昨年、史上最高齢で初タイトルを奪った木村一基王位(47)に挑む。30日は対局場検分などが行われた。第1局立会人の谷川浩司九段(58)がスポニチ本紙取材に7番勝負を展望し、藤井有利と指摘した。

 獲得27期でタイトル戦を熟知する十七世名人資格保持者が7番勝負を占った。藤井の故郷・瀬戸市がある愛知県から始まるシリーズ。「最近の充実度、将棋の内容を見ると、藤井七段乗り」と分析した。

 藤井は木村と公式戦初対戦。東京・将棋会館の最寄り駅にちなむ異名「千駄ケ谷の受け師」との相性は未知数。持ち時間8時間の2日制、1日目終了後に行う封じ手といった初体験以上の強敵になりそうだ。封じ手後、2日目の対局再開までは「あまり将棋のことを考えず、切り替えることが大事。しっかり休んで疲れを取ること」と提案した。

 並行開催の第91期棋聖戦5番勝負では連勝発進を決め、奪取へ王手をかけた。相手は8タイトル中最多の3冠を保持する渡辺明棋聖(36)=王将、棋王。2局ともその得意戦法・矢倉を攻略し、定跡にとらわれない指し回しが衝撃を与えた。

 藤井にとって、過去最長の持ち時間は順位戦の6時間。谷川が2日制の8時間を不安視しないのは、その順位戦の通算成績30勝1敗による。「棋士生活こそ短いけれど彼より経験を積んだ棋士はそんなにいない」。プロデビューから4年足らずの歩みに思いを巡らせた。

 木村の底力も侮れないとした。史上4人目の名人・竜王のビッグタイトル2つを保持する豊島将之2冠(30)から昨年、4勝3敗で奪取。「当時も下馬評は豊島さん有利。豊島さんから獲ったのは価値がある」と評価する。藤井と木村の30歳の年齢差対決が話題。「なかなかフィクションでも現れないカード。お互い、盤上の戦いに集中することが大事と思う」と話した。

 1995年、阪神大震災で被災した谷川が当時の全7冠制覇に挑んだ羽生善治九段を最後の1冠・王将として返り討ちにした一局は、今の藤井のように羽生フィーバーが巻き起こっていた中での対局だった。「盤上の戦いに集中」は、その経験を踏まえた谷川ならではの指摘だ。

 《30歳差対決は歴代2位》木村と藤井の開幕時の30歳差は、タイトル戦の年齢差歴代2位にあたる。最大は1990年棋王戦の40歳差。26歳の南芳一棋王に、大山康晴15世名人がタイトル戦史上最年長の66歳で挑戦し大きな話題となった。3位は94年名人戦で、50歳の米長邦雄名人に23歳の羽生善治4冠が挑んだ際の27歳差。いずれも、年少の棋士が番勝負を制している。(肩書は当時)

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