所属約6000人…財産である芸人を守るため「反社会的勢力」の排除へ具体的対処を

[ 2019年6月28日 09:00 ]

東京新宿区の吉本興業の外観
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 「反社会的勢力の排除」。これは吉本興業が長年掲げてきた大きなテーマでもある。06年にコンプライアンス推進委員会を立ち上げ、非上場となった09年からは定期的に年2回の研修を行うなど10年にわたり強化に努めてきた。それだけに改めて決意表明しなければならない事態に陥ったことは残念でならない。

 11年に島田紳助さんが暴力団関係者との交際により芸能界を引退した際、世間では逆風が吹き荒れた。それ以降は外部の有識者も交えて対策を練り、一つずつ信頼を積み上げてきた。

 今回の闇営業問題が難しいのは紳助さんとは違い、宮迫やスリムクラブらが反社と交際していたわけではなく、全く知らずに宴席に参加していたことだ。これは、全ての芸能事務所にも通じる問題でいつ誰が“被害者”になってもおかしくない。闇営業を全て正規の仕事に切り替えられればいいが、収入が少ない芸人やタレントがいるだけに現実的に不可能だろう。

 吉本には約6000人が所属する。どうやって危険性のある闇営業を阻止するのか。これまで通りコンプライアンス意識の向上を進めつつ、より具体的な対処も求められる。今後、財産である芸人を守るためどのようなかじ取りをしていくのか。若手の才能をつぶしてしまうようなことだけは避けなければいけない。 (文化社会部デスク・森 俊幸)

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2019年6月28日のニュース