福山雅治が走りまくる!「集団左遷!!」で描く理想の上司像「愛される人であってほしい」

[ 2019年4月21日 10:00 ]

TBS日曜劇場「集団左遷!!」で、福山雅治はとにかく走る
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 歌手で俳優の福山雅治(50)が主演するTBS日曜劇場「集団左遷!!」(後9・00)が、21日にスタートする。“平成最後の下克上”と謳った作品で、廃店候補の大手銀行の支店が、一丸となって本部に立ち向かっていく作品。福山は本部とダメ銀行員の間のジレンマに悩む支店長役。走ったり、大声で話したり、これまでに見たことないほど熱く演じている。初回放送の直前に、今作に対する思いを聞いた。

 TBSの看板ドラマ枠に初めて主演。事前に第1話をチェックしているかと思いきや「僕に見させてくれないんですよ」と笑う。スタッフの方針で、視聴者と同じタイミングで見ることになったという。「ご覧になった方が“面白いですよ”と言ってくださるので、その言葉を信じるしかないですね」と明かし、自身も放送が待ち遠しい様子だ。

 ただ、表情は充実。自信もあるように感じる。「ひとつ言えるのは“台本は面白いですよ”ということ。役者陣みんなが面白いと思ってくれてるんでしょうね。各キャストが自分が演じる役はこういうキャラクターなのかなという設定を考えて、芝居の場に持ってきて、それがハマっていく。今回は群像劇なので、チームプレーはうまくいってますよね。そういう意味では手応えを感じてます」

 大手メガバンクの三友銀行を舞台にした物語。片岡(福山)はある日、支店長への昇任人事を受ける。だが、赴任先は廃店の決まっている蒲田支店。本部からは「頑張らなくて大丈夫。無事に廃店の際には本部に戻し優遇する」と約束されている。ただ、支店の銀行員は廃店になる事実を知らず、「頑張らなくていい」とも言えない。普通のサラリーマンだった片岡は、どういう選択をするのか。

 今回は「頑張る」という言葉がひとつのキーワード。片岡は部下に何度も「頑張ろう」という言葉を使う。一方で、福山自身は「頑張る」という言葉を使わないタイプだ。

 「人より成績を残そうとか目標を設定した場合、もちろん人より頑張るしかない。自分の限界を超えるまで頑張るしかない。でも“頑張る”って言っちゃうと、強い言葉なので僕なんかは息苦しくなっちゃう。“頑張ってよ”っていわれると、“お前に言われたくないよ”とか思っちゃうでしょ(笑い)。だから僕はあまり使わない。でも、人知れず頑張ってるんですよ、そこそこ(笑い)。それはやっぱり自分がこうなりたいとか、もっとこうだったらいいなって思うから」

 これまで演じてきた「ガリレオ」の湯川教授、「龍馬伝」の坂本龍馬などと違い、片岡はごくごく普通のサラリーマン。上層部と部下の板挟みになった中間管理職だ。福山自身は俳優であり歌手であり、個人事業主。組織の中でどう立ち回っていくかという部分については、自分では分からないこともある。自身が周りで見てきた組織人を参考にして、想像を膨らませる。

 「本当のところは分かってないかもしれないけど、こうなのかな、ああなのかなっていうのは、僕も傍らで見させていただいてる。上司と部下のこういう巡り合わせは大変だな、この巡り合わせはラッキーだなって。そういった悲喜こもごもですよね。この年齢なりの解釈をしているので、この年齢でこの役に出会えて良かったと思いますね」

 今回はがむしゃらに走るシーンが見どころのひとつ。台本上は「走ってる片岡」とサラリと書かれているが、撮影はそうはいかない。走って、走って、走りまくる。「シーンをつなぐ時に走ってることが多いんです。何本走ったかなんて数えてないですよ。撮影が終わったころには、結構走れる人になってると思います(笑い)」。体にむち打って頑張って走っている。

 役作りをする上では、福山自身が「こんな上司の下で働きたい」と思う理想の上司像を投影させている。

 「組織人の本当のところをわかってないまま、僕もある種の理想論で言わせていただくと、僕が部下で想像する上司っていうのは、愛される人であってほしいと思うんですよね。この人のために頑張りたいな、この人ができないことを僕がカバーしたいな、そういう風に思われる人が理想の上司だと思う。自分の能力を開花させてくれた、開花させてくれる、そういうことも重要なポイントだと思うんですけど、それは自分の頑張りもあると思うんですよ。だから、上司のために頑張りたい、一肌脱ぎたい、役に立ちたいと思われるような愛される人ってどういう人なんだろうなって思うのが、片岡を作り上げていくところにありますね」

 若々しいルックスはまだまだ50歳には見えないが「いろんなこと忘れますよ。“言いましたよね?”“説明しましたよね?”って言われて、“えっ聞いてないよ”って(笑い)。そこは年取ったと思いますよ。若手にサポートしていただくしかないですよ」と笑う。ただ、仕事への情熱は変わっていない。「やったことない役、芝居をやってみたい。音楽だと、書いたことない歌を書きたいし、あとはベンチプレス100キロを10発上げたい」と力を込めた。

 平成最後の下克上、そして令和最初の下克上がいよいよ始まる。「キャストもスタッフも本当に“こうやったらもっと面白くなるんじゃないかな”というのをワンシーン、ワンカットやってる。その積み重ねが作品になってると思うので、ぜひご覧になってください」と充実の表情で語った。

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