ロッテ・西野トップタイ4勝 20年ともにTJ手術の種市と進撃 同一カード3連勝で首位オリに1差

[ 2023年5月12日 05:20 ]

パ・リーグ   ロッテ3-0西武 ( 2023年5月11日    ベルーナD )

<西・ロ>リーグトップタイ4勝目を挙げた西野(撮影・長久保 豊)
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 かつての球威を取り戻し、投球術も加わった。ロッテ・西野は初回から走者を背負いながら粘り抜いた。最速148キロの直球と、90キロ台と120キロ前後の2種類のカーブ、フォークなど多彩な球種で要所を締めて6回8安打無失点でリーグトップに並ぶ4勝目を挙げた。

 「とにかく粘れたことが一番。走者を出してから丁寧に低めにボールを集められた」

 通算88セーブの元守護神は、20年6月に右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン=TJ=手術)を受けた。復帰1年目の昨季は37試合に救援したが、故障明けで連投はなし。吉井監督の勧めで、13年に9勝した先発に戻ることを決断した。

 励みであり刺激は、同じ20年の9月に同手術を受けた8学年下の右腕・種市の存在だ。オフには米アリゾナ州のトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」で一緒に自主トレを行い「純粋に応援しているし、頑張っている姿は刺激にもなっている」と西野。1年以上にリハビリが及び、患部の状態は一進一退を繰り返す。長く、時に不安に襲われるつらい時期だが、症例や知見などの情報を共有して支え合い、1軍の先発として帰ってきた。9日の西武戦は種市が勝利投手として3勝目を挙げ、これで今季3度目の同一カード3連勝。いずれも西野が絡み、種市もうち2度で勝利を挙げた。

 同手術は正しくリハビリを乗り越えれば、術後2年以上を経て患部がなじみ、球質が向上する傾向もある。「しっかりゲームをつくっていく、それを続けることが大事」と32歳。昨季までは先発ローテーションにいなかった、術後の苦しみを乗り越えた2人が、首位と1ゲーム差2位の快進撃を屋台骨となり支えている。(大内 辰祐)

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