巨人・ストロング門脇 バウアー撃ちプロ1号 16戦ぶり先発で16安打9点の猛攻けん引

[ 2023年5月10日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人9-2DeNA ( 2023年5月9日    新潟 )

<D・巨>6回、門脇はバウアーから2ランを放つ(撮影・西川 祐介)
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 サイ・ヤング賞右腕攻略の主役は、ドラフト4位ルーキーだった。巨人は9日、DeNA戦に9―2で快勝。門脇誠内野手(22)が、超大物助っ人の相手先発、トレバー・バウアー投手(32)から、いずれもプロ初となる決勝打、3安打、本塁打をマーク。体の強さから「ストロング門脇」の愛称を持つ新人が今季最多の16安打、最多タイの9得点の猛攻を引っ張った。

 鳴り物入りの大物右腕攻略へ、巨人は動き回った。その中心に「ストロング門脇」がいた。16試合ぶりスタメンのルーキーが、プロ初本塁打を含む4打点。決勝打も猛打賞も盗塁も初めてだ。

 「弱気になるんじゃなくて絶対全部打つと決めて打席に入った。のまれる前に攻めて行こうと思っていたので、それが良かった」

 不動の三塁手・岡本和が4年ぶりに一塁で先発。その三塁で、門脇をプロ初めて先発起用した原監督は「機動力というかね。それを使いたかった」と狙いを明かした。

 まずはその足で貢献した。2回、先頭の4番・岡本和が同点5号ソロ。2死から梶谷が左前打し二盗に成功した好機で打席に入った。一塁へのゴロをソトがはじくと、全力疾走で足から一塁へ。ベースカバーのバウアーと交錯し判定はアウトだったが、リプレー検証でセーフに覆った。勝ち越し打となった激走に「必死に走って気がついたらスライディングしていました」と喜んだ。

 4回2死三塁では右前適時打の後、この試合チーム2盗塁目の二盗。「自分の武器である足は塁に出ないと生かせない。安打が出てしっかり盗塁を決められて良かった」。試合前時点で12球団最少のチーム4盗塁が、失敗も含めて初回から3度試み、今季初の1試合2盗塁。大城卓の2年ぶり5番など、前の試合から5人の左打者を入れ替えたオーダー変更も、11安打7得点でバウアーを6回KO。その中心が6回にトドメの右越え2ランを放つなど、4打点した門脇だった。佐々木朗との初対戦だった昨年6月3日のロッテ戦でも、佐々木朗からの3盗塁を含む6盗塁で攻略し10―3で大勝。“初大物”撃破は2年連続だった。

 少年時代から動き回っていた。幼少期にぜんそくを患っていたが、当時の医師の「ステロイドを使って治すのではなくて、動いて動いて元気に体を強くしましょう」の一言がきっかけ。放課後は公園で遊び、父・寿光さんが帰宅後は練習という毎日が、創価高、創価大で全試合フルイニングの999イニング出場を続けた鉄人をつくった。

 「チャンスはそう来るものではない。結果に目がいきがちだけど、そこはしっかり抑えて自分のやるべきことをしっかりやった」。1メートル71、76キロの小柄な男が大きな壁を沈め、連敗を3で止めた。(小野寺 大)

 ◇門脇 誠(かどわき・まこと)2001年(平13)1月24日生まれ、奈良市出身の22歳。小2から野球を始め、創価(東京)では甲子園出場なし。創価大では1年春に東京新大学リーグ戦にデビューし、4年秋までフルイニング出場。ベストナインを5度受賞。22年ドラフト4位で巨人に入団。1メートル71、76キロ。右投げ左打ち。年俸は840万円。

 ≪球団新人32年ぶり≫新人の門脇(巨)が決勝打にプロ1号を含む3安打猛打賞の活躍。巨人新人のゲーム3安打以上は、18年8月21日DeNA戦の大城以来で、決勝打と本塁打を含む猛打賞は、10年7月19日ヤクルト戦の長野以来だ。また、プロ1号の試合で猛打賞は、チームの新人では91年7月3日ヤクルト戦の吉原孝介以来32年ぶりとなった。なお、吉原の一発は決勝弾で、門脇同様、初猛打賞、初V打、初本塁打のそろい踏みだった。

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