広島 岐阜“ご当地コンビ”躍動 床田はV打の野間に「大学時代から何度も助けてもらって」

[ 2023年5月10日 06:00 ]

セ・リーグ   広島1ー0中日 ( 2023年5月9日    岐阜 )

<中・広>勝ち星を挙げた床田は決勝打を放った野間(右)を笑顔で迎える(撮影・椎名 航)
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 広島は9日、岐阜・長良川球場で開催された中日戦に1―0で競り勝ち、連敗を3で止めた。打っては8回1死一、二塁で野間峻祥外野手(30)が決勝中前適時打を放ち、投げても先発・床田寛樹投手(28)が7回7安打無失点で3勝目。東海地区大学野球岐阜県リーグ所属の中部学院大出身の“ご当地コンビ”が、かつての主戦場で投打のキーマンとなった。

 頼れる先輩は、後輩左腕の好投を無駄にはしなかった。まるで大学時代に時を戻したかのように、野間と床田が岐阜・長良川球場を舞台に輝きを放った。

 「得点圏のところでなかなか点が入ってなかったので、何とか打てたので良かった」

 試合を決めたのは、野間だった。0―0の8回1死一、二塁。2球で追い込まれてから粘り腰を発揮した。ボール球を見極め、きわどい球はファウルでしのいだカウント2―2からの8球目。内寄り直球を中前へはじき返した。決勝の適時打に、笑みがこぼれた。

 4月29日の巨人戦以来4試合ぶりの安打が決勝打となった。3日までの直近5試合は16打数3安打、打率・188。シーズン打率も・205まで下がり、2試合連続で先発を外れていた。3試合ぶりのスタメン出場。奮い立った理由はそれだけではない。大学時代に慣れ親しんだこの日の舞台だ。「大学でもよく試合をしていて岐阜でやるということで特別な思いもあった」。思い出の地で目いっぱい、気を吐いた。

 「ああいうところで決めてくれるのは、さすがだなと思った。大学時代から僕も何度も助けてもらって、ありがたいなと思う」

 野間の決勝打をお膳立てしたのは、大学の2学年後輩にあたる先発・床田だった。こちらは7年ぶりの“凱旋登板”。序盤は「思ったよりマウンドに合わせるのに時間がかかった」と微調整に手間取った。それでも初回1死一、三塁のピンチを無失点に切り抜け、リズムに乗った。7回7安打無失点。直後に先輩の決勝打が出て、3勝目を手にした。

 過去の“地方対策”が生きた。22年4月13日ヤクルト戦(松山)ではマウンドの特徴に合わせてフォームや意識を変えるなど微調整しつつ好投し、6回1失点で勝利投手となった。今回も同様に微調整を重ね、結果につなげた。加えて、慣れ親しんだこの日の舞台では、大学時代の友人や夫人の家族からの声援にも背中を押された。

 チームも12年7月11日巨人戦から岐阜で4連勝。新井監督は「彼ら(野間、床田)が育ったというか思い出が詰まった球場で良かったんじゃないですか」と“ご当地コンビ”の躍動に目を細めた。(長谷川 凡記)

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