落合博満氏が阪神・村上頌樹のここに着目 「武器にして使っているというのは頭のいい子」

[ 2023年5月10日 18:00 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が10日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル #オレ流トレンド」を更新。阪神の村上頌樹投手(24)について語った。

 東洋大から20年ドラフト5位で入団して3年目を迎えた右腕の村上は、開幕からの31回連続無失点のセ・リーグ記録(63年中井悦雄)に並んだ。9日のヤクルト戦で7回5安打1失点で今季初黒星となったが、規定投球回にも到達し、防御率は0.28でリーグトップに立った。投手の制球力と三振奪取能力を図る指標の一つに「K/BB」がある。1つ四球を出す間に何個の三振を奪うかの数字で、村上の「K/BB」は15.50で、2位・涌井(中日)の4.83を大きく上回る。さらにWHIP(1イニングあたり何人の走者を出したか)も0.38とリーグ断トツの数字を残している。パのトップの佐々木朗希(ロッテ)の0.56をもしのぐ。

 無双とも言える投球を続ける村上について、落合氏は「キレそのものというのは、打席に立ってみないとわからない」と慎重に話した上で「各バッターが真ッスラがいいとかという話はしていますね。真っすぐだと思って(打者の手元で鋭く)ピュッと曲がってくるというのは、やっかいなボールであることは確か」と語った。テレビでも1試合見た程度で「テレビでは、真っスラがそんなに曲がっているようには見えてないんだ」とした。

 落合氏は1981年に日本ハムで15勝0敗とシーズン無敗を達成した間柴茂有氏の名前を挙げた。真っスラを得意としていた左腕で、落合氏の入団5年目までは、37打数9安打、打率.243(通算では打率.361)だった。「昔、日本ハムに間柴さんというピッチャーがいてね。右バッターのインサイドに、これくらい(数センチ)で、キュッ、キュッと(食い込むように)曲がってくるんだ。芯に当たるとファウル。中に入れると詰まってサードゴロっていう。このパターンがね、右バッター(を打ち取る)の特徴だった」と振り返った。

 見た目以上に打席に立った打者がギャップを感じている。「総体的に言うのが、真っスラが邪魔だっていうようなことを各バッターが言っている。真っスラしたら駄目だという説もあるんだよ。シュート回転したら駄目だとかっていうね。でも、それをうまいこと武器にして使っているというのは頭のいい子だね」と落合氏は語った。

 選手の評価というものは、一過性の活躍では判断できるものではない。落合氏は「これからの選手なんでね。今始まったばかりで、この先どうなるかっていうのは、1シーズン見て結果がどうだったというようなことで判断しなきゃいけない」と語ったが、「今の時点では、十分合格するだけの投球というのはしてるんだろうと思います」と話していた。

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