ヤクルト サヨナラ勝ちで首位タイ!延長11回、世界一捕手・中村が決めた7年ぶりサヨナラ打

[ 2023年4月21日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト3-2中日 ( 2023年4月20日    神宮 )

<ヤ・中>延長11回、中村(左から2人目)のサヨナラ打に歓喜の村上(左)ら(撮影・島崎忠彦)
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 ヤクルト・中村悠平捕手(32)が20日、中日戦の11回にサヨナラ中前打を放ち、チームは2連勝。この日敗れた阪神に並び首位へ再浮上した。WBCで侍ジャパンを頂点へ導いた世界一捕手は開幕から22打席連続無安打など打撃に苦しみ、試合前には打率・128に沈んでいたが、価値ある一振りで勝負強さを示した。

 どや顔であおった。ヤクルト・中村が両手を下から上に上げ“みんな来い!”とジェスチャーを繰り返す。16年以来7年ぶり4度目のサヨナラ打。ベンチから出てきたナインからウオーターシャワーを浴びた。

 「開幕してから貢献できず、ここは決めたいなと。打席でファンの皆さんの声援が後押ししてくれて、自信になり勇気をもらえた」

 午後10時を過ぎ、鳴り物応援はできなくなっても、声をからしてくれるファンに応えた。10回守備からマスクをかぶり、2―2の延長11回1死二塁で打席が回った。「初回からベンチ裏でずっと素振りしていた。(川端)慎吾さんには“お前、代打ねえだろ”って言われたけれど、その成果が出て良かった」。山本の直球を中前にはじき返し、吠えた。

 準決勝、決勝でスタメンマスクをかぶり世界一奪還に貢献したWBC。5試合で打率・429は、侍ジャパン主力でエンゼルス・大谷の同・435に次ぐ数字を残した。だが、激闘の疲れも癒えぬままシーズンを迎え、打撃は開幕から22打席連続無安打。試合前時点で打率・128、0本塁打、3打点だった。

 「自分の今のコンディションに合ったスイングは何なのか。一日一日違うスイング、タイミングの取り方、トップの間合い。本当に一打席一打席違う」と試行錯誤の日々。バットも普段の茶色から白木に替えて握った。「形は同じだけど、気分転換。もがいている中で、何かを変えたい」とわらにもすがる思いで放った一打だった。

 「最後に中村がおいしいところを持っていった」と高津監督。チームは今季初のサヨナラ勝ちで阪神と並び首位に返り咲いた。「明日は(高橋)奎二が投げる。前回ふがいなかったので、叱咤(しった)激励のほど、お願いします!」。最後は扇の要らしくお立ち台を締めた。(青森 正宣)

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2023年4月21日のニュース