口出しゼロの落合博満GM 谷繁監督は「逆にやりやすかったんじゃないか」

[ 2023年4月21日 17:10 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が21日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。13年オフに就任し、17年1月まで務めた中日ゼネラルマネジャー(GM)時代について語った。

 2013年10月にGM就任が発表されたと同時に、谷繁元信氏の兼任監督就任も発表された。当時は落合GMが推薦したということも報じられたが、「いや、(白井文吾)オーナーの一声ですよ」と落合氏は語った。落合氏の野球解説者時代の講演で「“将来的に谷繁監督っていうのも面白いんじゃないのかな”って言ったのを、2014年からの監督っていうふうに、オーナーが即決しちゃった」と真相を語った。

 GMと監督の関係性、コミュニケーションについては「オーナーとの約束でね、“現場には一切タッチするな”っていうのが、オーナーとの約束だった」と明かした。「だから“谷繁に自由にやらせなさい”っていうようなことだったの。でも、それは本人(谷繁)には言えないじゃない。だから、話し合いっていうのは、ほとんどなかったと思うけどね」と振り返った。

 スタッフから「あえてキャンプとかにも行かれなかったんですか?」と聞かれると「最初の年だけは行ったはず。でも見てるだけでね、事務所で(大御所OBの)杉下(茂)さんと話してる程度であって。だから練習見たって、“ああ、この練習じゃあどうなんだろう”とは思ったって口出しは一切しなかったしね。だからその(オーナーとの)約束は最後まで守ったよ」と落合氏。「だから、あとは経験のあるコーチ連中がいるわけだから、それらと話し合いをすれば良いんであって、そこで解決できなかったら自分で思い悩んで解決するしかないだろうなっていうことですよ」と語った。

 現場からの報告に関しては、ほぼすべて落合GMの耳に上がってきたという。「大概のことは入って来てはいたけどね。だからって“ああしろ、こうしろ”とは言わないし。自分たちで処理できるだけの考えはあるんだろうなとは思ってたけどね」と口出しは一切しなかった。

 谷繁監督は14年は4位、15年は5位で、監督専任となった16年はシーズン途中の8月に休養、チームは6位に終わった。「結果が出ないってことは、それだけうまく回ってないっていうことだから。それを解消するのは誰かって、自分ら(現場)で解消しなければどうしようもないじゃん」と落合氏。スタッフから「谷繁監督の方から、ちょっと話しませんかということは?」と話を向けられると「それもない」と話した上で「だから、逆にやりやすかったんじゃないかと思うけどね。“ああだ、こうだ”と言われることはないから。“なんで勝てないんだ”、“なんでこんな選手の使い方するんだ”とかっていうようなことがなかっただけにね」と語った。

 落合氏は球場に足を運ぶことも多いとはいえなかった。その理由は「他に選手を見に行ったりなんかっていうことをしなければいけないわけだし、あとはファームの方を時たま、見に行ってたっていう程度であってね。あとは地方大会があれば、社会人でも大学でも見に行ったりとかっていうようなことはちょこちょこはしてたけども」と話した。

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