エンゼルス・大谷 幻弾!またジャッジに捕られた 飛距離が中堅までの距離上回るも…

[ 2023年4月21日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス2―3ヤンキース ( 2023年4月19日    ニューヨーク )

<ヤンキース・エンゼルス>初回、ジャッジの好捕で中飛に倒れる大谷(撮影・会津 智海)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が19日(日本時間20日)、ヤンキース戦に「2番・DH」で出場。初回に中堅に本塁打性の大飛球を放ったが、過去2年はMVPを争ったアーロン・ジャッジ外野手(30)にフェンス際で好捕された。ライバルは直後の攻撃で左中間に一発もマーク。2人の打球データはほぼ同じだった。今回は明暗が分かれたが、今季も両雄による異次元のMVP争いから目が離せそうもない。

 いつの時代も、スーパースターには必ず好敵手がいる。大谷にとっては、ジャッジだ。初回1死。中堅に大飛球を打ち上げた。ジャッジが追う。エンゼルスファンは「5号ソロ」を確信して歓声を上げる。宿敵はフェンス際でジャンプ。グラブの土手に当ててかき出し、右手で捕球した。今度はヤンキースファンが歓喜の雄叫びを上げた。

 「いい外野手なら最初に捕れている。僕はジャグリングしてしまったが、何とか手に収められた」と照れ笑いを浮かべて振り返ったジャッジ。昨年5月にも中堅で大谷の大飛球を好捕している主砲はバットでも魅せる。直後の初回攻撃で左中間に先制2ラン。わずか数分の間に地元のファンを2度も沸かせた。

 大谷の大飛球は大リーグの公式データサイト「ベースボール・サバント」によると飛距離は411フィート(約125・3メートル)。ヤンキースタジアムの本塁から中堅までの距離は408フィート(約124・4メートル)で計算上は本塁打になるはずだった。ジャッジの打球速度は大谷の中飛より0・2マイル(約0・3キロ)速い111・7マイル(179・7キロ)で飛距離は1フィート(約30センチ)長い412フィート(約125・6メートル)。打球角度も2度違うだけでデービッド・アドラー記者も自身のツイッターに「Almost identical!(ほぼ同じ弾道)」と記した。

 連日にわたる神様の演出か…。元祖・二刀流のベーブ・ルースが本塁打を放った旧ヤンキースタジアムのこけら落としから、ちょうど100周年の記念日だった前日は大谷が右翼を守るジャッジの頭上を軽々と越える決勝弾。「球場も奇麗でファンの人も熱狂的。楽しんでプレーできた」と喜びを語っていた。その試合の中堅は身長1メートル80のカイナーファレファだったが、この日は21センチも高い2メートル1のジャッジ。中堅から本塁への15フィート(約4・6メートル)の逆風も打球を押し戻してジャッジを主役に仕立て、試合もヤ軍がサヨナラ勝ちした。

 21年は大谷がMVPを受賞。昨季も15勝&34本塁打の成績を残したが、ア・リーグ新記録の62本塁打を放ったジャッジにMVPを譲った。そんな両者は過去18度の直接対決で、12度もどちらかが本塁打を記録。最近は5試合連続でどちらかが本塁打を放っている。
 昨年、大谷もジャッジについて「見ているだけで勉強になるし、素晴らしい打者」と語っていた。同じ空間にいるだけで刺激を与え合う存在。そしてファンは、その一挙一動に魅了される。 (柳原 直之)

 ≪アウトは史上初≫大谷が第1打席で記録した速度111マイル以上で、かつ飛距離411フィート以上の打球は、大リーグ公式データシステム「スタットキャスト」が導入された2015年以降、これまで1560本。大谷は同条件でアウトになった初めてのケースとなった。

 ▽昨年の大谷のニューヨーク幻弾 22年5月31日(日本時間6月1日)にヤンキースタジアムで行われたエンゼルス―ヤンキース戦で、大谷が初回に中堅フェンス際に放った大飛球をジャッジがジャンピングキャッチ。データ計測システム「スタットキャスト」はメジャー本拠地30球場中、20球場で本塁打になると分析した。

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