DeNA・今永がノーヒットノーラン達成!1四球のみ準完全で北海道初&球団52年ぶり快挙

[ 2022年6月8日 05:30 ]

交流戦   DeNA2―0日本ハム ( 2022年6月7日    札幌D )

<日・D>ノーヒットノーランを達成してガッツポーズをする今永(撮影・高橋茂夫)
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 DeNAの今永昇太投手(28)が7日、日本ハム戦で史上85人目(通算96度目)のノーヒットノーランを達成した。9三振を奪い、走者は四球の1人のみの準完全投球。球団では52年ぶり4人目の快挙となった。北海道での達成はプロ野球史上初。今季は4月10日に完全試合を成し遂げたロッテの佐々木朗希投手(20)、5月11日のソフトバンクの東浜巨投手(31)に続き早くも3人目の達成となった。

 花束を手に、今永がマウンドを右足で丁寧にならした。笑顔のナインが輪になって見守る。完投した際に、お礼をこめてマウンドをならすのは儀式だ。「登板させてもらったことへの感謝」。快挙達成の瞬間からまったく表情も変えずに、真顔のまま学生時代からの習慣を貫いた。

 「まさかノーヒットノーランができるとは。9回の登板前、達成後のこと、達成してみんながマウンドに来てくれるのをイメージし投げた。その通りになりホッとしている」。

 完璧な仕事だった。9回117球。最速は151キロで、許した走者は2回2死からの清宮の四球のみ。チェンジアップ、スライダーと変化球も効果的に織り交ぜ、日本ハム打線を打者28人で牛耳った。北海道でのノーヒットノーランは、プロ野球史上初だった。

 札幌ドームが「フィット」していた。本拠地・横浜スタジアムは、今季から札幌ドームと同じ粘土質で、踏み込んだスパイクが確実に土に食い込む北海道名寄市産の「名寄の土」を導入。左腕もそれを承知済みで「マウンドも丁寧に整備されていて投げやすかった」と感謝した。

 ビッグボス・新庄監督は福岡県の同郷の先輩。「雲の上の存在」と話すが、初対戦で強烈な印象を与えた。三浦監督は「最高の投球をしてくれた。初回から真っすぐの押し込みもチェンジアップの抜けも良かった」と絶賛。試合中は一言も会話をしなかったといい「集中力が凄かった。目線も一切合わせていない。そんなことは初めてかな」とエースの快投の舞台裏を明かした。

 20年10月に左肩の手術。今春は左前腕の肉離れを発症するなど、苦しい時間を経て、完全復活の途上での快挙だった。「ファンがピリピリとした相手との駆け引きを楽しめる雰囲気をつくってくれた。登板前はホテルのバイキングで生ものの刺し身とかおいしいものを避けたので、今日はたらふく食べたい」。2時間32分のショーを堪能した今永はそう言って、ようやく笑みをこぼした。(大木 穂高)

 《交流戦3人目》今永(D)がプロ野球85人目、96度目のノーヒットノーランを達成した。交流戦では06年ガトームソン(ヤ)、12年楽天戦の杉内俊哉(巨)に次ぎ3人目でいずれもセの投手。チームでは大洋時代の60年島田源太郎、66年佐々木吉郎(ともに完全)、70年鬼頭洋に次ぎ52年ぶりの4人目となった。許した走者は四球の清宮だけ。許した走者1人だけの準完全試合は5月6日阪神戦の大野雄(中)以来史上51度目。うち、ノーヒットノーランは18年山口俊(巨)以来18度目になる。なお、味方の決勝点が9回以降に入ったノーヒットノーランは73年8月30日中日戦で11回に自らサヨナラ弾を放ち達成した江夏豊(神)以来49年ぶり。

 《最北快挙》ノーヒットノーランは史上96度目となったが札幌ドームは初めて。日本ハム戦での達成は85年に平和台で記録した郭泰源(西)以来37年ぶりとなった。また、北海道内の球場での達成も初めてで50年に完全試合をマークした藤本英雄(巨)の青森(青森市営)を越える最北での快挙となった。

 ◇今永 昇太(いまなが・しょうた)1993年(平5)9月1日生まれ、福岡県北九州市出身の28歳。小学校時代はソフトボール、中学時代は軟式野球部に所属。北筑では県4回戦が最高成績。駒大では東都リーグで3年秋に7勝し、優勝の立役者になりMVP獲得、神宮大会優勝に貢献した。15年ドラフト1位でDeNA入り。1メートル78、83キロ。左投げ左打ち。

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