阪神・西勇「永遠のテーマ」カーブで6回零封4勝 配球変幻自在、自身4連敗中ソフトに勝った

[ 2022年6月8日 05:30 ]

交流戦   阪神2―0ソフトバンク ( 2022年6月7日    ペイペイD )

<ソ・神(1)>5回2死二塁、柳田から三振を奪い雄たけびをあげる西勇(撮影・大森 寛明)
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 阪神・西勇が、チーム打率12球団No・1のソフトバンク打線の意表を突いた。0―0の5回2死。主砲・柳田の5球目に周東に二盗を許した直後、フルカウントから投じたのは118キロのカーブ。頭になかったような見逃し方をさせ、ピンチを脱した。

 「球数がだいぶかさんだので、配球やタイミングを変えながら。何回も対戦したソフトバンクが相手なので、丁寧に大事に投げた」

 カーブはこの数年、1試合に数球程度の割合の球種。決め球にすることはほぼなかった分、効果的だった。3回1死一塁でも柳田を空振り三振。4回は、交流戦打率4割超、2回に三塁打を打たれた牧原大も117キロで空を切らせた。

 同じ相手に投げた3月15日のオープン戦で、5回3失点を喫した。数日後の練習で、外野フェンスに向かってカーブで壁当てをする姿があった。当時、「カーブは永遠のテーマ」と握りの確認をしたことを明かした。試行錯誤を重ね、パの首位に立つ相手に威力を発揮。今季初の梅野とのコンビも「安心して投げられた」と配球面でプラスになった。

 4勝目を挙げたとはいえ、好調ではなかった。3回までに62球を投げ、最後のイニングの6回は何度も足を気にした。矢野監督が「つっていた」と明かしたように、苦しみながら114球を投げ6安打無失点に抑えた。

 発奮材料は後輩の存在。登板が遠征と重ならない時は、2軍の練習に参加する。4月に左ひじ手術をして懸命にリハビリする高橋に触れ、「必死にがんばる姿を見たら、こっちも勇気をもらう」と感化された。防御率1・50の安定感にもつながっている。

 19年の虎移籍後の鷹戦初登板で、オリックス時代の18年に喫したソフトバンク戦の連敗を4で止めた。13年から8シーズン(20年は交流戦未開催)勝ち越しができていない、猛虎の天敵退治にも導いた。(倉世古 洋平)

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2022年6月8日のニュース