トヨタ自動車 春の東海チャンピオンに 八木の「勇気」ある盗塁で勝利の流れ呼び寄せた

[ 2022年3月24日 22:05 ]

東海地区春季大会決勝   トヨタ自動車13―10JR東海(延長11回タイブレーク) ( 2022年3月24日    岡崎レッドダイヤモンドスタジアム )

2盗塁と2打点で勝利に貢献したトヨタ自動車・八木
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 トヨタ自動車が4時間32分に及ぶ激戦を制し、春の東海チャンピオンに輝いた。持ち味を存分に発揮し、逆転勝ちを呼び込んだのは八木健太郎外野手。1点劣勢の8回に代走として途中出場すると、50メートル走5秒台の俊足で流れを引き寄せた。

 「こういう時のために練習して、準備をしてきました。求められている役割を果たせたかと思います」

 マウンドに立つ宮本佳汰との情報戦を制した。是が非でも1点が欲しい場面。覚悟を決めて、福井章吾の代走として一塁へ向かった。小畑尋規への初球を投じる前に、2度のけん制をもらった。執拗な相手バッテリーの警戒にも動じない。宮本が小畑への初球を投じると、すかさず二塁盗塁を決めた。「最後は勇気を持って」。失敗の許されない場面での激走から、打線がつながり一挙4得点。藤原航平監督も「あの盗塁は大きかった」と称えた。

 早大の先輩に負けじと、新人4番の今井脩斗内野手も輝いた。初回2死二塁では中前の先制タイムリー。8回には左越え2点三塁打も放つ3打点の活躍で、今大会のMVPにも選出された。「使っていただいた中で結果を出せたのは良かったですが、チャンスで凡退した場面もある。一つ一つ、期待に応えたい」。好発進にも満足することなく、さらなる高みを目指す。

 最後を締めたのは、台頭著しい2年目右腕・吉野光樹だった。タイブレークとなった延長10回から登板。10回こそ1点を失ったが、3点を勝ち越した11回は打者3人から2三振を奪い無失点で切り抜けた。「タイブレークは難しく考えすぎないようにしました。今後に向けて、いろいろな経験をできたことは大きいと思います」。3月19日の西濃運輸戦では先発として6回2安打1失点。フル回転の期待も高まる。

 粘り強く4試合を戦い抜いての優勝だが、藤原監督は手綱を締めることを忘れなかった。「現時点でのやるべきことはできましたが、ここで満足してはダメ。課題もいろいろ出たので、一つずつクリアしていきたい」。16年以来6年ぶり2度目となる都市対抗優勝へ向け、最善を尽くす日々が続く。

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