藤浪に3球三振した男が帰ってきた 花巻東OB・小原さん 弟は代打二ゴロ「前に飛んだので弟の勝ち」

[ 2022年3月24日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会第5日第1試合・1回戦   市和歌山5ー4花巻東 ( 2022年3月23日    甲子園 )

小原大樹さんの家族(右から)三男・大和くん(花巻東の背番号4)母・祥子さん、次男・和樹さん、長男・大樹さん
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 【いっちー球春胸キュン日記】10年ぶりに選抜の舞台に帰ってきた花巻東のOBがいました。

 小原大樹さん(27)は、12年選抜で大谷翔平選手(現エンゼルス)に次ぐ2番手左腕としてベンチ入り。大阪桐蔭との初戦で代打出場し、藤浪晋太郎投手(現阪神)の前に3球三振。「全然見えなかった」と最後の打者になった当時に、思いをはせました。

 卒業後は慶大から日本製紙石巻に進み、さらに夢を追って渡米。帰国後は独立リーグの四国・徳島でも活躍しました。現在は引退し、放送局に勤務するかたわら、社会人クラブでプレーしています。

 市和歌山戦は、兄としての観戦でもありました。野球3兄弟の小原家。大樹さんは長男で、次男の和樹さんも一昨年、慶大でレギュラーとして日本一に輝きました。そして三男の大和君は今大会、背番号4を背負って自身と同じユニホームで聖地にやってきました。

 7回に代打出場した大和君の雄姿に「ヘルメットのサイズを間違えていますね」と愛情たっぷり。二ゴロの結果も「前に飛んだので僕より上」と称えました。弟が連れてきてくれた久々の聖地。「一瞬一瞬をやりきるという野球から学んだことを思い出しました」。甲子園は、野球人が原点に帰れる場所でもあります。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。昨年からは早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に在学し、野球選手の障害予防について研究中。

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